出る杭求む、個性的な人材を求む
こんな言葉が求人欄で踊ることはありませんか?こうした言葉を真に受けて、悲劇を味わう求職者が後を絶ちません。ちなみに私もその一人でした。
経営者は本気で会社を変えたいと思っている
実は経営者は、今までの会社内の馴れ合いを打破して、新しい風を職場に吹き込みたいと本気で思っています。
なので、「出る杭求む」「個性的な人材を求む」という言葉は、経営者サイドからは全く正直な意見です。
入社時の経営者からの期待の言葉
私はとあるメーカーの中途採用で入社する際に取締役から、君には我が社の今までの馴れ合いの設計を打破して、新しい設計基準を作って欲しい。おかしいと思ったことは正直に言って欲しいとのお言葉を貰いました。
現場で受け入れる土壌が整っていない
しかし、取締役の言葉を忠実に実行したら設計現場では、フルボッコに。それでは、嘘をついている訳ではないのに何が問題なのでしょうか?それはズバリ、経営層の問題意識が、現場まで浸透しておらず、現場は現状維持を望んでいるからです。
そのため、中途入社組が新しいやり方や独創的なアイデアを提案しても、現場はそれを突っぱねます。とにかく中途入社の新人の上げ足を取り、改革を徹底的に邪魔します。
結果的に、中途入社した人は失意の下、会社を去っていきます。
経営層からは、今までのやり方を一新して欲しいと懇願され、愚直にその通り頑張ったのに・・・。
実はこれ、経営者と現場の怠慢が原因
経営層の怠慢
経営層が、自分らの問題意識を現場まで周知させる取り組みを全くしていません。
また、改革の為に中途入社の新人を採用するならば、その新人にある程度の裁量権を与えて、それに従うように現場へ徹底させなければなりません。
中途で優秀な人さえ採用出来れば、あとはその人が勝手に改善してくれるという他力本願な経営層の方々が非常に多いです。
経営層が最低限やるべき、改革のための土壌作りを全く行わないと中途入社の新人は梯子を外されたに等しいです。
(経営層の言う通り、現場の改革に取り組むが、現場から反発を受けて潰される。)
→新しい参考書を買えば成績が上がると期待する受験生と一緒ですね。
現場の怠慢
例えば製品不具合が恒常的に発生して、お客様や営業に迷惑をかけまくっているのに、自分たちの従来のやり方を頑なに変えようとしません。
新しい手法やうまくいっている手法を学ぼうとする学習意欲が欠如し、そうしたやり方を提案する人を徹底的に潰しにかかり、保身に走ります。
じゃあ最初からコンサルに頼めばいいじゃん
これが、難しいのです。何故かと言うと、自分たちのやるべき業務フローの改善や改革の土壌整備を全くやっていないのに改革を望んでいる経営層が、そもそも無能なのです。よって、外資コンサルが本気で切り込んだら、その無能な経営層の地位が危うくなります。
そのため、自分たちがコントロール可能で歯向かう事のない部下という立場の中途社員を採用し、改革のポーズをとります。
しかし、ご覧の通り、うまく行く訳ありませんよね。そもそも、経営層が本気で改革に取り組み、汗を流していれば、中途採用なんて必要ないはずなんです。
→その怠慢を安易に人で埋め合わせようとしているのが問題なのです。
まとめ
以上から改革を経営層から要求されても、それを遂行するための予算や裁量権が付与されているかきちんと確認しましょう。
そうしたパッケージが与えられないのであれば、経営層の言葉は全力無視で問題ないです。経営層がやりたくない汚れ仕事を中途採用者に押し付けているだけです。