シベリア鉄道
皆に別れを告げて、地下鉄の駅を目指す。感傷の余韻がやっと静まった時に、自分は中国元を持ち合わせていないことにふと気が付く。北京駅のコンコースのATMで中国元を引き出した。地下鉄の券売所に行くが、今度は空港の最寄り駅が分からない。困ったものだ。…
日本対ポーランド戦をワンセグで見終わってしばらくすると、北京行きの発車のアナウンスが報じられた。客車に乗り込んでしばらくすると、列車は発車した。列車はホーム脇にある「一帯一路」の赤いネオンの横をすり抜ける。市街を抜けると車窓は漆黒の闇。今…
クラスノヤルスクから母親とその小さい娘さんが乗ってきた。娘さんはまだ4~5歳というところ。娘さんはすぐに車窓に飽きてしまいノートPCのDVDでアニメ鑑賞に興じ始めた。バックスバーニーの昔のアニメで、思わず既視感を感じてしまった。途中の駅で、貨物列…
ノボシビルスクからは、青年とその母親がコンパートメントの向かいに乗り込んで来た。話すところによると彼はレスリングでロシアのナショナルチームに所属しているとの事だ。体付きが屈強なのはそうした理由があるのか。 お昼ご飯の時間を迎えると、青年の母…
私が乗り込むのは四人の向い合わせのコンパートメント寝台の上段である。向かいの寝台と私のすぐ下の寝台には既にモスクワからの先客がいた。向かいはモスクワでの兵役を終えて、帰郷する男性とそのパートナー。下の寝台には普段はバイカル湖の沿岸警備をや…