転職が一般的に
昨今は転職が一般になり、労働者の三割が転職経験者になる。従来と比較し、労働市場が流動化し、精神的、肉体的にキツければ、身体を壊す前に仕事を従来より気楽に辞められるというのは、良い事だと実感します。しかしながら、転職がカジュアルになったからと言って、全ての人に転職が向いているかと言われると、そうとも言えません。
中途採用者はライバルに
基本的に転職先の同職種の社員から見ると転職者はライバルとなり得ます。特に営業などでは、転職者によって自分のシマが荒らされ、自分の売上成績が落ちる事も懸念されます。
否定による洗礼
上記のような不安を抱いた従来社員が起こす一般的なアクションの一つに否定があります。とにかく中途採用者のやり方にイチイチ、ケチをつけて足を引っ張ろうとします。
何故そのようなアクションをするかと言うと、中途採用者のやり方が従来のやり方よりも効果的と証明されたら、自分達が今まで慣れ親しんだ手法を捨てて、そちらのやり方を採用するように上層部から司令が下る可能性があります。
特に50代になり、新しい知識の学習意欲が落ちてくると、中々新しい手法を一から学ぶには苦労します。
また、今までの手法が非効率だったことが証明されるのも面白くありません。
そもそも会社が中途採用を行うかというと既存のメンバーの成果ややり方に満足していないからです。よって中途採用者によって新しい手法が広まり部署のパフォーマンスが向上することは会社としては喜ばしいことではあるのですが、既存社員にとっては、面白く無かったりします。
成果を出すしかない
このような事から、中途採用者は成果を出す事でアイデンティティをいち早く確立する必要があります。営業であれば売り上げ、プログラマーであればバグのないアプリのような分かりやすい成果で、否定を抑え込む必要があります。
とにかく成果が出るまでは我慢です。よって、成果というプレッシャーを乗り切れるメンタル、体力などに自信が無い人は転職に向きません。最初に入社した会社の居心地がよっぽど悪くない限り、今の会社にしがみついた方が良いでしょう。
新しい知識の習得
勿論、自分のこれまで培ってきた知識や手法を新しい会社で発揮するだけでなく、その会社で要求される知識のキャッチアップも重要です。
そのため、最初の一年は成果を出す事と知識の習得の二本立てで非常にハードです。
まとめ
転職が従来よりカジュアルになってきましたが、やはり半数以上の労働者は、転職はしておりません。やはり、転職は明るい事ばかりではありません。転職後の最初の一年間は辛いでしょう。
よって上記のリスクを覚悟した上で転職すべきです。転職回数が多い人は敬遠される事もまだ多いです。しかしながら、今までの転職先で成果を出して自分の居場所を確立した上で転職してきた人は、ストレス耐性、新たな知識に対する好奇心や学習能力が高く、何となく今までの会社に居ただけの人よりも有能だと思います。