ルアンパバーンからパクセーへ
ラオス北部のルアンパバーンから南部の都市パクセーを目指す。バスは寝台のVIPバスを選択した。
このようなVIPバスと言われるものは通路沿いに2段ベッド式の寝台が設置されており、完全に横になりながら移動できる。
ビエンチャンからルアンパバーンへの道のりで、座席での移動にヘトヘトだった自分には非常にありがたかった。
バスは夜通し走ったが、明け方にエンジントラブルで二時間ほど立ち往生。予定より遅れたが、無事にパクセーに到着した。
のどかなパクセー
ビエンチャンの大気汚染、ルアンパバーンの喧騒に疲れた自分にとって、そうしたノイズが無いパクセーは非常に居心地が良かった。ホテルの個室で、疲労した心と体を休めることが出来た。
世界遺産プラサート・ワット・プーへ
ホテルで一泊し次の日に世界遺産プラサート・ワット・プーへ出かけた。パクセーからの直行バスが無く、三輪バイクタクシー→渡し舟(メコン川)→三輪バイクタクシーの乗り継ぎでプラサート・ワット・プーを目指した。
最後の乗り継ぎのバイクタクシーのおっちゃんに二時間後に迎えに来て貰うように頼んで、遺跡を堪能した。
神殿は今にも崩壊しそうで、ところどころ補強が為されていたが、このような適度な廃墟感が哀愁を掻き立てた。
遺跡の公園の奥まで歩を進めて、小高い丘に登ると遺跡が一望できた。
メコン川の眺め
二時間ほど遺跡を堪能すると三輪バイクタクシーが遺跡の入り口で迎えに来てくれた。そのバイクタクシーでメコン川の渡し船乗り場まで送ってもらった。
渡し舟乗り場の横にテラスからメコン川を一望できるレストランがあり、そこで昼食を食べた。
昼食を食べ終えた後は、コーヒーを飲みながら、ひたすらメコン川の流れをボーっと眺めていた。非常に美しい川の流れ。ずっとここに留まって眺めていたい衝動に駆られた。
残念ながら、この風景を収めた写真は見当たらない。写真を撮る隙も無いほど、メコン川の流れに心を奪われていたのだろう。
一路ホテルへ
メコン川の長めに後ろ髪を引かれながら、渡し舟に乗り込んだ。ちょうどそこにフランス人カップルが同乗してきた。
気品のある面持ちの二人。おしゃれな抑揚の英語。川を渡る間、彼らと他愛の無い会話を楽しんだ。新婚旅行で、こんな秘境を訪れるとは通ですね。
タイのウボンラーチャターニーへ
ホテルに戻り、インターネットを開きながら、その後の計画を考えた。ここからカンボジアに向かうことも魅力的だったが、タイへの国境まで行き、タイの国境の町ウボンラーチャターニーからバンコクに戻ることにした。
メールを開くと会社の上司からのメールが目に飛び込んで来た。どうやら私は会社をクビになるらしい。
私は会社に対して、未練が無かったので、その通知を冷静に受け入れることが出来た。
タイやバンコクを旅して、大手企業の会社員じゃなくても生きて行く道はいくらでもあることに気が付いたので、レールから外れることに恐れは感じなくなっていった。