好きなことをやれ
成功したスポーツ選手、タレント、ウケ狙いの学校教師が良く言うこの言葉。好きなことを突き詰めれば、それがやがて天職になる。そして成功し、お金も後から付いてくる。
残念ながら、それは才能がある上で熾烈な努力を継続し、運とタイミングが味方してくれて成功を掴めたというのが正確な所だ。
好きなことを愚直に突き詰めても成功できずに、平凡な生活すら手に入れることが出来ない人がほとんどである。
人気が欲しい
スポーツ選手、タレントなどは夢を売る人気商売の側面もある。そんな人が、
「一般人が成功するのは厳しいから、きちんと勉強したり、手に職を付けといた方が良いよ」
など口が裂けても言えるわけない。
また子供たちのウケを狙いたい教師も子供たちに嫌われたくないが為に、
「とりあえず勉強して良い学校に行っとけ」
なんて夢の無いことなど言わない。教師は子供たちを導く立場だが、生徒なんて所詮、他人の家の子供。生徒の人生の責任を負っているわけでは無い。そういう教師は学歴コンプレックスを抱いていて、高学歴者に対するルサンチマンが無責任な言葉に繋がっていることも多い。
(生徒が高学歴者になることを深層心理で妬む気持ち→勉強しないで好きなことをやれ)
そういう教師に限って、自分の子供をしっかり塾に通わせてたりするからタチが悪い。
公立学校の教師は世間を知らない
大学を卒業してそのまま教師として就職すると、その人は学校以外のシステムを全く知らないことになる。一般社会で、学歴も職歴も資格も無い中高年が、社会でどれだけみじめな思いをしているか知る由も無いだろう。公立学校の教師は公務員なので、競争原理が働かない環境である。どんなにパフォーマンスが落ちても、よほどのことがない限り解雇されない。よって、民間で落ちこぼれた時の厳しさにはどうしても鈍感になる。
無責任な親
場合によっては親も「好きなことをやれ」と無責任な発言を行うこともある。そういう親は、自分自身が運に恵まれて、苦労せずに成功してしまったパターンが多い。
よって、サラリーマンが苦労してコツコツ働いて、平凡な暮らしを送るのを簡単なことだと甘く見ている。好きなことをやって駄目ならば、すぐに平凡なサラリーマンになれると踏んでいるいる。
あとは、子供と真剣に向き合うことから逃げている親。子供との軋轢を避けるために、耳障りに良いことだけを言っているケースも多い。
結局、子供が成人後に社会でやっていくための十分な学力やスキルを習得できずに実家に寄生し続ける事になる。子供の将来に向き合わなかったツケを後で、払うことになる。
売れないお笑いタレント、バンドマン
20代に頃は成功できずに、貧乏生活を送っていても、周囲の同い年のサラリーマンと大きな生活水準の差異は感じないだろう。
しかし、30代になっても成功できないと次第に厳しくなってくる。周囲の同い年のサラリーマンの収入が上がり、生活水準にも如実に差が開いてくる。
痛々しい昔売れていたバンドマン
時々、懐かしのヒット曲特集などで昔売れていたビジュアル系ロックバンドが、当時と同じ衣装とメイクでテレビに出演したりするが、正直痛々しくて見ていられない。たとえ成功したとしても、若さが売りでもあるバンドマンはどうしても晩年がみすぼらしくなる。
アーティストを志していた知人
20代のころアーティストを夢見て、海外に渡った知人がいる。しかし、思うように芽が出ずに、30代中盤に差し掛かる頃に失意の下、日本に帰国。そして普通のサラリーマンになりたいと私に相談を持ち掛けてきた。
しかしだ、自分が彼をサラリーマンとして採用する立場だとしたら、そうした人間を採用出来るだろうか?20代ならまだ何とかなるが、もう30代半ば前だ。さすがに躊躇するだろう。
30半ばのおっさんが、給与は新卒と一緒で良いから働かせてくれと言われても無理だろう。新卒採用は固定観念の無い若者を社畜へと洗脳することもセットで成立しており、自我が確立したおっさんを洗脳することは難しい。そして、そのようなおっさん自身も若い人に指示されながら働くことに心理的な抵抗感を感じることだろう。
好きなことをやれ→×
最低限の学習を行った上で、自分が得意なことをやれ
正しくは、最低限の学習をして一定以上の学歴や世間で需要のある資格を習得した上で、自分の特性に合ったもの(得意なこと)をやる。これが王道。好きなことでも評価されなかったり、お金が稼げないと次第に嫌いになっていく。逆に好きなことでなくても、それで成功できるとそれが好きになっていく。
よって、最後まで勉強の可能性は捨てない方がいい。勉強以外の道で、成功するには勉強で一定以上の学歴を得る以上に難しい。むしろ勉強以外で成功できた人は、まじめに勉強すれば一定以上の学歴を手にすることが出来た可能性が高い。
好きなことは趣味でやる
上記のことを実践し、最低限の生活を手に入れたうえで、好きなことは趣味として行うのが良い。好きなことでもお金や生活が懸かると精神的に苦しくなる。一部のスポーツ選手やアーティストはプロになったが故に、好きだったものが嫌いになってしまった人もいる。
まとめ
好きなことをやれ、学校の勉強なんてやらなくていい。こんな耳障りの良い言葉を聞いたら、むしろ警戒した方が良い。それを言った人はそうしたことと無縁な安全地帯から発言している可能性がある。または、人気商売であるなど。そしてそうした人達は君の人生に対して何の責任も有さない。
とりあえず勉強して、可能な限り理系に進学して、技術や専門知識を習得しとけ!!