スマート駄目リーマンの忘備録

旅行記、キャリア論、世相分析など思ったことを書き連ねます

真昼鈍行(熱風ベトナム編 2009) 3

真昼鈍行とは外回りの営業に疲れたサラリーマンが帰社するまでの時間稼ぎをするためにわざと鈍行に乗る行為である。
そのようなサラリーマンは日本の競争社会と雇用環境の理不尽さにほとほと疲れ果てている。そうして、やがて長期の旅に出る。その中の三分の一は社会復帰できず。旅先で沈没する。

8月9日朝五時半に起床。

ハロン湾クルーズツアーは朝7時前に集合なので早めの起床。

シャワーを浴び、カシューナッツを食べて荷造りを済ませ、6時半くらいにチェックアウト。

ぼーっと待っているとスクーターに乗ったツアーの迎えのアンちゃんが来た。後に乗れよとのジェスチャー
だが危ないので拒否する。スクーターにゆっくりと走ってもらい、その後をリュックを背負いながら走ってついて行った。

700m位走ったであろうか。船乗り場に到着。
そこから沿岸漁業用程度の大きさの船に乗り込む。

僕は船の二階の展望が出来るデッキに座り込む。

ベトナム人の家族連れ、カップル、そしてイギリス人バックパッカーカップルが乗り込む。

船は一路、岩山を目指して出港。
その手前で鍾乳洞のある島に立ち寄った。
集合時間のアナウンスがないまま、勝手に島に降ろされる。

とにかく同じ船に乗るベトナム人の家族連れについていく。

彼等はガイドから何やら入場券らしきものを受け取りすーっと鍾乳洞に入ってしまった。

自分はもらえず。遅れてなるまいと、受付で急いで入場券を買う。

20.000ドンと言われたが、100.000ドン札しか持ってないので100,000ドンを払う。
急いでいたのでお釣りをきちんと確認しなかった。後に列んでいたイギリス人パッカーに嘲笑された。

お前ボラれてんぞ。気がつけや。

しかし当時の自分はベトナム通貨の桁の多さにも慣れず、また焦りできちんと確認出来なかった。

急いで鍾乳洞に入ると先ほど船で一緒だったベトナム人家族を追いながらそそくさと内部を見物。

出口付近でやっと彼らに追い付く、そこでは先ほど船に乗っていたガイドが手招きをしていた、それに従い船に戻る。

そこからテレビ等でも有名な奇岩へ。

当初はなんだテレビで見た通りじゃんと思ったが、時間を経るにつれてジワジワと感動が込み上げる。

写真を何枚か撮影。

途中で魚を養殖するためのいけすに立ち寄り魚を観賞。

そこからしばらく湾内を縫うように船は走り、それから一路港を目指す。

後を振り返ると奇岩の雄大な景色。名残惜しい。

12時位に帰港。

浜辺をプラプラして土産物屋をひやかす。欧米人向けのレストランに立ち寄り、ナポリタンとジンジャーティーを注文。

ジンジャーティーの苦味と甘味の絶妙なハーモニーが疲れた体に染み入る。

レストランで今後の予定を考える。ハノイの町の喧騒と汚れた空気にうんざりしていたのでハロン湾からハノイに戻るにしても一刻も早くハノイは後にしたかった。

地球の歩き方を見て色々と検討した結果、ハノイ発19時半の寝台特急ベトナム中部のフエを目指すことにした。
予定通りにいけば翌朝8時半にフエに着くようだ。

今回の旅ではこの寝台特急にはお世話になった。

2000円から3000円程の値段で二段ベットの寝台車に乗車出来た。
その列車はハノイホーチミンを結ぶベトナム南北統一鉄道で主要都市間を7、8時間で結んでいたので重宝した。
なにより完全に横になりほぼ熟睡して次の目的地に行けるのは非常に楽だった。
寝ながら移動距離を稼げたため、当初の予定より多くの土地を訪れることが出来た。また駅は街の中心部に近いので観光地にも楽に訪れることが出来た。

レストランからハノイ行のバスターミナルまでタクシーを使った。
料金は58000ドン60000ドンを手渡したところでターミナルの案内人がタクシーの側にしゃしゃり出てきて切符売場に案内しようとする。
おい、早く来い!切符が売切れちまうぜといわんばかりに。
タクシーの運転手も早く行ったほうがよいとせき立てる。
慌てた僕は急いで切符売場へ。
当然お釣りをもらい忘れた。
しかし、切符を買いバス乗り場でバスを待っても目の前に停車中のバスに乗れる気配が無い。
時間を聞いたら30分外の日蔭の売店の横で待ってろとのこと。
嵌められた。ターミナルの案内人とタクシー運転手の華麗な連携プレー。俺を急かしてお釣りを渡す猶予を与えないという手口だった。
バスの発車時刻まで十分余裕はあったのだ。

これだからタクシーは嫌だ。でも浜辺からターミナルまではタクシーしか交通手段がなかったのだ。

時間になりバスに乗り込むもバスは、なかなか発車しようとしない。

目一杯客をつもうとする。そのうち香港人と思しき青年が切れ始める。
もう降りようとする青年をガイドは必死になだめる。
その後なんとかバスは発車。ガイドは行きと同様にドアから道行く人に引っ切りなしに声をかける。その度にバスは速度を緩める。

13時過ぎに発車したはずであったが、4時間位費やした。本来なら2時間半で着くはずなのに。

しかし、もう呆れることもなかった。これが東南アジアなんだ。彼等は儲けようと必死なんだ。
それは十分 理解出来た。だがそれで儲かったからといってその日の飲み代に使ってしまうのは悲しいな。少しでもお金をためて今より良い暮らしが出来るなようことをしてほしいと思った。例えば貯めた金で農業機械を買うとか、家を改装するとか。その日暮らし的なお金の使い方をしていたら何時までもその日暮らし。そんなこ とにはならないで欲しいと思った。

17時過ぎにハノイに到着。バスターミナルに行く手前の歴史博物館前でガイドに掛け合って無理矢理降ろさせてもらう。そっちの方が駅に近いのだ。

そこから、スクーターの荒波の中を縫いながら30分位かけて駅に到着。

駅の窓口で19時30分発のフエまでの乗車券を買おうとする。窓口に並ぶも割り込みがすごい。

時刻は18時過ぎ。まだ一時間以上の余裕があるじゃないか。落ち着くんだと自分に言い聞かせた。割り込みをなんとか制してやっと販売員と御体面。料金は600.000ドン。日本円で3000円位。

駅のトイレに入ろうとしたら入口付近でおばさんに制される。金を払えとのことらしい。こんな汚いトイレなのに金を徴収するのか。
渋々金を払い用を済ませて、待合室で静かに待つ。

19時位だろうか?駅のアナウンスで列車に乗り込む。寝台車に乗るなんて仙台から函館までの北斗星以来だ。軽く、わくわく*1

早速二段ベットの上段に横になる。向かいは母親に子供二人の家族連れ。
子供は兄と妹のコンビ。
二人は持参した亀で遊んでいる。
しばらくするとポップコーンをおもむろに食べ始めた。
俺にも食べろと勧める。亀をわし掴みした手で渡されることに軽い抵抗感を感じた。が、せっかく二人と打ち解けかけたのにそれを壊したくは無かった。だから、無理して食べた。
その後母親に対して今日ハロン湾を訪れたことを地球の歩き方の写真を指で示して伝えた。彼女は嬉しそうな顔をしてくれた。俺が読んでいる地球の歩き方に子供達は興味を示したようで二人は見せてくれとせがんだ。しょうがないので渡すと二人はもうそれの奪い合い。ページのめくり方も乱暴でたちまち本はしわくちゃに。
それを見兼ねたのだろうか。母親が二人をなだめ、二人から本を返してくれた。
しばらくすると母親が俺に対してあなたは食べるものがあるのかとジェスチャーで尋ねてくる。

Noと答えるとなにやら心配そうな顔。

しばらくすると車掌がお粥を売りに来た。バケツに入ったお粥を杓で救い、パックによそう。そこに肉をフリーズドライしたようなふりかけをかける。
母親はお粥を頼み、その内の一パックを俺に差し出す。なんて優しいのだ。お粥の味は正直微妙であったが、味は優しさでカバー。
バハァリンではありません。
お粥を食し腹も一杯になったところで就寝。

今日のハロン湾からのハードな移動を無事に乗り切れたことに軽い安堵感を抱いた。

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*1:o(^-^)o