スマート駄目リーマンの忘備録

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なぜ大企業の設計職は激務なのか?!!

激務の設計職

 設計職は製品の仕様を決定し、図面を作成する大変やりがいのある仕事である。しかしながら、自身の経験に照らすと大変激務であった。また、他の会社で勤務している友人の話や設計職についてのブログ記事を読んでも激務である印象だ。

 果たして、そうした激務に釣り合うだけの報酬を得ているか?実はそうでもないのだ。(サービス残業の横行、関連部門からのきついプレッシャーなど)よって、設計職はエリートだが、そこで生き残っていける人は少ない。

 

転職

 私は東証一部上場企業を辞めて、数回の転職あと、社会的には一段格落ちする大手の子会社の設計職に転職した。その会社は設計開発部門だけを有し、製造はEMS会社(受託製造会社)に外注する生産システムを採用していた。しかし、その会社は前職に比べて、残業代はフルで支給されるし、激務では無かったのだ。

 一方で前職の東証一部上場企業というのは社内で設計開発から生産計画、製造技術、生産技術、製造を丸抱えしている、所謂日本の古い生産体制を採用している会社であった。設計は激務にも関わらず、他の部門は定時になるとさっさと帰宅し、非常に不公平感を抱いたものだ。(定時後に問い合わせすると誰も電話に出ない) 

 また残業代の上限は月の上限20時間まで。違法なサービス残業が常態化していた。

 

明かされた不都合な真実

 つまり、こういうことだ。東証一部の大手の会社では設計部門が他の部門の面倒を見ることで仕事が回っていたのだ。それならば、他の部門にきっちり仕事を振れば良いとの意見が出るだろう。しかしながら、同じ会社では設計は他の部門にある意味お願いをして、図面通りの製品を作ってもらう立場なのだ。

 製造技術の頑固オヤジの機嫌を損ねて、生産ラインを作ってもらえなくなり、製品を予定通り出荷出来なければ、会社から怒られるのは設計開発部門なのだ。

 一方で転職した大手の子会社は製造と設計が切り離されており、製造する会社は設計をしている我々の会社から仕事を貰う立場なのだ。依頼者が若造であろうと製造請負会社は相手を無下には出来ない。もし、我々の会社の機嫌を損ねて、次の製品の仕事をもらえなくなったら死活問題になりかねない。

 そして、他の会社と見積の天秤をかけて安い会社を選択することも出来る。当然コストの圧縮にもつながる。よって我々の会社の手元にお金が残りやすくなるのだ。これがある意味で平等というものであろう。我々設計は、頭をフル回転させて、付加価値を生み出している。生産はある意味マニュアルに沿った単純作業だ。付加価値を多く生み出している我々に富が多く配分されるのは当然の事なのだ。

 前職の古い日本企業はある意味悪平等なのだ。そして未だに年功序列が幅を利かせている。よって、若手設計職は付加価値を多く生み出しているにも関わらず、単純な生産作業に従事している中高年よりも安い給与で働かされている。こうしたシステムは日本の社会保障と一緒で、若い人の人口が中高年よりも多ければ何とか成り立つのだろう。しかし、今は制度疲労を起こしている。

 前職の設計職の同期の多くは激務に見合う対価を受け取れず、失意の下、転職していった。

日本の構造的な問題

 この問題は大企業のみならず、日本の古い組織全般に蔓延している。勤務医が激務なのも、おそらくそうした問題が当てはまるだろう。付加価値の高い勤務医に仕事が集中し過ぎてしまうのだ。そして大きな病院だと間接部門も多く、勤務医が頑張ることでそうした人達を食わせている不都合な事実もあるだろう。

 研修医の過労死問題は、優秀で体力はあるが、人件費の安い、若手研修医を間接部門の中高年を食わすために徹底的にこき使ったことが、問題なのだ。

 

Job Grade Sytem(職能給制度)の迅速な導入を!!!

 上記のような矛盾を無くすために、年齢ではなく、仕事の付加価値で評価をするJob Grade System(職能給制度)を導入すべきである。駆け出しの見習い勤務医でも彼らは常人とは一線を画す難関を潜り抜けて、高度な教育を受けてきたのである。

 新人であっても高い報酬を貰って当然である。そうでないと優秀な若手はドンドン転職して行ってしまう。

 若いころ、激務で安くこき使われた四十代後半から五十代以上にとっては、これから収穫時期に入るのに若い人にそっぽを向かれてしまうことになる。聞いていない、こんなはずじゃなかったという方も多いだろう。しかし、若いころの会社からの洗脳を疑い、自分の頭で考えてキャリアチェンジをするべきだったのだ。

 逆に若い人は希少な労働力なのだから、自分を安売りせずに理不尽な環境だったら力を蓄えて、どんどんキャリアチェンジをしていこう。ずるいノースキルの老人に決して搾取だけはされぬよう、会社に利用されるのではなく上手に会社を利用してほしい。会社を辞めることに躊躇する必要は全くない。若者が働きやすい環境を提供できなかった会社が悪いのだから。

 

対策

 会社選びの際に工場を丸かかえしているか、切り離されているかを確認しよう。化学、製鉄メーカーのような素材そのものを生産している会社は自社工場が必要だが、家電製品のような組み立てのような工程は外注した方が効率的である。雇用を守るという美辞麗句の下、非効率な製造現場を有していないか必ず確認しよう。

 また、製品の中でソフトウェアの付加価値が高いと製品の利益率が高くなるので、そうした製品を開発している会社に入社しよう。任天堂は企画、開発に特化し、ソフトとハードが絶妙に融合している。組み立て工程は外注なので、非常に効率的。こうした会社を地道に探そう。

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