時は2008年~2009年
リーマンショックの影響で、製造現場の派遣社員さんが一斉にリストラされてしまいました。しかしながら、製造現場での人手は不足している状況でした。
新卒社員、間接部門社員、使えない営業マンを製造応援に派遣
そこで、会社は上記の会社の戦力にならない社員を製造応援と言う形で、工場に出向させることになりました。
確かに、普段とは違う慣れない現場作業で大変ではありますが、製造現場では残業代や手当がきっちりと付きますし、もちろんベースの給与が落ちることはありません。
役立たずの社員の給料が、会社に貢献している一般社員の給料を上回る
しかしながら、上記の雇用条件の結果、会社に貢献していない二軍社員の給与が会社に貢献している20~30代前半の一般社員の給与を上回る結果となってしまったのでした。
当時、私は激務の設計部門に所属していましたが、リーマンショックのリストラの煽りを受けて、残業代はカットされたにも関わらず、業務量はそこまで落ちず、サービス残業を余儀なくされていました。
2013年以降
このような逆転現象を目の当たりにした若手の一軍社員はアベノミクスで景気が持ち直した2013年以降に続々と条件の良い会社に転職していきまました。その結果、会社の若手には微妙な二軍社員だけが多く残る結果となってしまいました。
日本のメーカーに巣くう悪しき現場主義、平等主義
日本の伝統的なメーカーでは三現主義という言葉が浸透し、現場を重視しています。もちろんそれはモノ作りにおいて大切です。しかし、現場を重視=現場以外を軽視となっては本末転倒です。
私が所属していた会社は過剰な現場優遇により、優秀な設計開発部門の人材を冷遇する結果になってしまいました。
また、高度な知的労働よりも、汗水たらしている現場が偉いというバイアスが働いていたのもそうした事の要因なのかもしれません。
その会社の15年後
優秀は設計開発の若手人材が流出し結果、革新的な商品が生み出せず、過去の遺産で食っている状況です。
製造応援組に対して
当時、製造応援に行った方が給料は良いので、製造応援に行った社員の一部は得意げでしたが、自分の普段所属している部署で戦力として、必要とされていれば、製造応援などには出されません。
申し訳ないですが、自分のキャリアや能力に対して焦りを抱いた方が良いと思いました。
まとめ
設計は製品開発というのは目に見えない為、一般的にその付加価値を人事などの部外者が評価することは難しいです。従って、その会社の屋台骨を支える仕事をしているにも関わらず、冷遇されることが多いと思いました。
その結果、有能な若手の離職につながり、その会社の開発力は大幅にダウンしました。そろそろ、目に見える労働は尊いという悪しき労働信仰を捨て去るべきです。