スマート駄目リーマンの忘備録

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海外駐在を乗り切るコツ

 

 

海外駐在を有意義に乗り切ろう

 メーカー、商社、金融、小売り大手は日本市場だけでなく、グローバルマーケットもターゲットにしています。そのため、会社の総合職の何割かは海外に駐在する可能性があります。(割合は業種や会社に依存)。一週間以内の海外出張ならば、その割合はもっと多くなるでしょう。そこで、今回は海外駐在を有意義に乗り切るコツを述べさせていただきます。

気候、食べ物、言語、の違いに戸惑う

・気候

 気候については服装で調整するしかありません。時差については、現地で昼間に眠くなっても、なるべく起きるようにすれば、自然と一週間以内に体内時計は調整されるはずです。

・食べ物

 これはアジア圏よりも欧米圏に顕著ですが、野菜が少なく、肉中心で、量が多めの食事に戸惑うでしょう。欧米人とは消化機能や体格が違うので、出されたものをそのまま食べていると確実に肥満や成人病に繋がります。

 中華レストランや日本食レストランで野菜をきちんと摂取する習慣を確立させましょう。中華レストランや日本食レストランが無い場合にはギリシャ料理レストランがお勧めです、Greek Saladは野菜とオリーブがたっぷりで、味付けも日本人の口に合います。

その他ではイタリア料理もお勧めです。トマトやニンニクが味付けのベースなので、野菜不足を解消します。

 アジア圏では屋台は避けて、屋内の加熱調理がされている店を選びましょう。屋内レストランでも安い所では質の悪い油を使用しているので、注意して下さい。

・言語

 言葉については、英語を頑張ればビジネスや日常生活では困ることはありません。英語が微妙な人は、まずは英語を頑張って、現地語は最低限の挨拶さえマスター出来れば良いでしょう。 ここで、英語中途半端な状態で、現地語に飛びつくと非常に苦戦します。現地のリーダークラスは英語が必ず喋れるので、最悪その人を介して、コミュニケーションを取れば問題ありません。

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駐在員が陥りやすい罠

 前段で述べたような事を忠実に実践できれば理想ですが、そうは言ってもやはり、難しいものがあります。その結果多くの駐在員は以下のような罠にはまっていきます。

日本食レストランばかり通うようになる

 現地の食事が合わなくて、日本食レストランに足を向けると、そこには懐かしい日本の味が広がります。私も、現地の食事に飽きてきて、日本食レストランで食べたお茶漬けに心底感動したことを覚えています。

 そして、レストランには日本の新聞と雑誌が置かれています。レストランによってはNHKのBS海外ニュースをテレビで放映しているところもあります。思わず日本への郷愁が搔き立てられます。

 しかし、ここで日本食レストランに毎日通うことは個人的にお勧めしません。日本食レストランに毎日通っている人は、そうした人同士と仲良くなり、知らず知らずのうちに日本人同士でつるむようになっていきます。さらに、休日は会社の日本人駐在員の上司とゴルフでは、海外にいるだけでやっていることは完全に日本と変わりません。

 せっかく海外へ仕事に行くチャンスを会社からもらったのに、日本人同士の閉じたコミュニティだけで暮らすのは非常もったいないです。これでは日本の田舎で、毎日コンビニとファミレスに通っているのと何ら変わりません。

・休日はずっと家に引きこもる

 これもありがちです。休日もずっと家に引きこもり、ネット三昧。食事はインスタント。現地に適応することを諦めた(年齢のせいでうまく適応できない)中高年の駐在員に多いですね。私の元同僚にもこういう方がいました。50過ぎのオッサンが、日本のアニメやX  videoで心の隙間埋めている様子見て悲しくなりました。一人で勝手に楽しんでいるならばまだしも、一緒に見ようぜと誘ってくるから一層タチが悪いです。

・通訳にべったり

 これも非常に多いです。言語の習得を完全に諦めて、開き直っちゃっているオッサン。現地の工場やオフィスでも常に通訳がいないかオロオロしています。横で見ていても非常にカッコ悪いです。下手な英語やゼスチャーでも良いので、自分でコミュニケーションをとる姿勢を持つべきだと思いました。いくら実務がソコソコ出来ても、こういう姿勢を部下に見せていると、次第に部下からの人望を失っていきます。

・世界で通用すると勝手に錯覚

 本当にこれは非常にタチが悪いのですが、上記の様な体たらくにも関わらず、世界で通用すると錯覚するオッサンが後を絶ちません。日本企業の看板を背負っているから、現地社員も気を使っているだけかもしれないのに、海外に駐在した事実だけで、世界で通用すると思い込む人が本当にいるので、注意が必要です。

 最低限、通訳を頼らずに自分でコミュニケーションをとって、現地の役所なり会社と折衝して、一から現地でビジネスを立ち上げた。もしくは現地に本社がある企業で、単身エンジニアとして乗り込んで、そこで実績を作った。このような場合じゃないと世界で通用するとは言えません。駐在員という会社のお膳立てに頼らなくても、一人で戦っていけるかが非常に重要です。

私の体験

 私はメーカーの総合職として、中国に一か月、その三年後にベトナムへ三か月駐在しました。

・中国に一か月駐在していた時

 上記の様な典型的な駄目な駐在員でした。日本食レストランに足しげく通い、電気店で日本のアニメの海賊版DVD(Zガンダム)をしこたま買い込んで、駐在員仲間と部屋でアニメを楽しむような生活をしていました。(英語が出来たので、コミュケーションを通訳に頼らなかったのが、唯一の救いどころ)

 現地の生産、調達方式、中国固有のビジネスマナーなどを学べたことは有意義でしたが、日本に帰国した後に物凄い虚無感に襲われました。

ベトナムに三か月滞在していた時

 とりあえず、同じ会社の日本人駐在員との繋がりを絶ち、なるべく一人で行動するように心がけました。ある日、レストランで一人で夕食を食べていると、別の会社のオーストラリア人と仲良くなり、週末に開催されるランニングサークルに誘って貰いました。

 そのランニングサークルにはベトナムに駐在している海外企業の社員が、多数在籍していました。ベトナム沖の石油採掘調査に来ているオーストラリア人、ING生命で保険の設計をしている中国人、メーカーで働くエストニア人。様々な国、様々な業種の人たちが、日曜日の午後に集合し、貸し切りバスで郊外へ赴き、皆で山や平原をランニングします。その後は、皆でバスに積んだビールを飲んで、思い思いに語り合います。

 このランニングサークルは自分にとって大変面白く、有意義な時間でした。エストニア人からはロシアの圧力に抗議するために、エストニア人が手をつないで、街を囲んだ話などもを聞きました。しかしながら、石油やガスなどの資源をロシアに握られて、本当の意味での独立を果たせていないことを彼の会話から知りました。話してくれた彼から感じる焦燥感などは、ネットや本では得られない、正しく生きた感情でした。(今のウクライナ人が置かれている気持ちもきっとこれに近いのだと思います。)

 同じ会社の日本人駐在員同士でつるんでいたら、こうした経験を得ることは出来なかったでしょう。当然ですが、英語力もものすごく向上しました。駐在は非常に大変でしたが、帰国後は充実した気持ちに浸ることが出来ました。

まとめ

 サッカーの中田選手、本田選手が現役時代度々口にしていた「日本人は個の力が弱い」という意味が、ベトナムの駐在を通じて分かった気がしました。異国で、知り合いもいない中に一人で飛び込んで、そこで仲間を作って、問題を解決する能力。この能力が多くの日本人に決定的に欠けています。

 仕事で海外駐在のチャンスを得られた際には、日本人同士で小さくまとまらずに、積極的に現地人や異国の人と関わって、グローバルに視野を広げて行って欲しいです。