スマート駄目リーマンの忘備録

旅行記、キャリア論、世相分析など思ったことを書き連ねます

天国に一番近い島 セーシェル2013

 天国に一番近い島 

 中学時代に「天国に一番近い島」(森村桂 著)という本を読んだ。当時20代の作者は出版社に勤務していたが、出版社を退職してニューカレドニアに旅することを志した。

 旅の途中で盲腸に罹患するなどの苦難。到着した港からは美しいビーチの片りんも無く愕然としたが、旅の終盤に誰もいない本当に美しいビーチに出くわすことが出来たとの喜びが綴られていた。

 2013年にふと、その本を読み返したときに自分も天国に一番近い島に行ってみたいという思いに駆られた。ニューカレドニアは既に日本人にとってハネムーンなどのメジャースポットになっていたので、どうせならば日本人がほとんど行ったことのない国へ行きたい。

 そうして調べて、候補に挙がったのが、セイシェルであった。youtube動画も印象的で、青い海を堪能したい思いに駆られた。日本人も年間で50人しか訪れない、正に極東の日本人にとっては秘境。

 実際の着陸では海面スレスレを飛行機が這うように着陸し、若干スリリングであった。

 しかしながら、便数が限定されており、航空券は少しお高め。関西国際空からエミレーツ航空で往復35万円也。

 宿はヨーロッパ人にとっての高級リゾートのため、びっくりするくらいのお値段。なんとか安めの所を探し出し、プララン島の一泊1万円前後のゲストハウスに四泊、それからマヘ島のコンドミニアム三泊することに。

 

素晴らしい出会い

 到着時に税関で賄賂を要求されたりと若干波乱の幕開けだったが、フェリーとバスを乗り継いで何とか宿に到着。

 荷物を整理して、オープンテラスに行くと先客がいた。ケニア人姉妹で、エミレーツ航空のフライトアテンダントをしているとのことだった。

 明日はタクシーを貸し切って、島を観光するとのことであった。せっかくならばということで、私もご一緒させて貰うことになった。

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ピアノを奏でる

 タクシーで、レモングラスの畑や旧植民地時代の建物、ビーチなどを巡った。エミレーツで働いているだけあり、英語が完璧でコミュニケーションが問題無くとれたことは旅を一層楽しいものにしてくれた。

 特にエミレーツ航空での研修体形や勤務体系を詳しく聞けたことは有意義であった。社員は基本的にドバイを起点にして、新入社員もそこで研修を受けるとのことだ。ダイバーシティを重んじている会社で、世界中のあらゆる国から社員が集い、英語でコミュケーションを取りながらミッションを完遂させる。正にグローバル企業のお手本であると感じた。グローバル人材を本気で志して、航空会社を志望するならばエミレーツ航空をお勧めしたい。

 夕飯はゲストハウスの近くのスーパーで買い出しをして、ゲストハウスのキッチンでカレーを作ることに。海産物が丸ごと入ったカレーは非常においしかった。米が多くて食べきらないが、彼女たちの大きな思いを体現しているのだろうと感じた。

 食器洗いだけでも手伝おうとしたが、全部私たちがやるからいいと断られ、温かいホスピタリティに感激した。バカンスで来たのだから、ゆっくり休めば良いのに。

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Nice Hospitality

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Beautiful Style

  せっかくの出会いであったが、彼女たちは一週間のバカンスを終えて、翌朝の飛行機でドバイに帰るとのことであった。翌朝の早朝に私も起床して、タクシーに荷物を運ぶのを手伝い、見送った。日本へのフライトがあった時にはよろしくねと最後に挨拶をしてくれた。早朝の漆黒の中タクシーが走り去っていった。

 

ラディーグ島

  この島にはアンス・スース・ダルジャンという花崗岩が砂浜に突き出た地質学的にも非常に珍しいビーチがあることで有名。宿のあるプララン島からフェリーで目指した。

島は小さく、自転車で軽く一周出来てしまうくらいの大きさであった。サイクリングをしながら、気に入ったポイントで海水浴。

 アンス・スース・ダルジャンは本当に格別な景色で、別の惑星に迷い込んだような錯覚を覚えた。

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海水で浸食された花崗岩

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絶景と美女

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浸食による岩の丸いフォルムが印象的

 有名なビーチだが人が少なくて、のんびりできる。砂浜のキメが細かく、はだしで歩いても全く負担じゃない。岩の隙間が多く、そこでひっそりと波打ち際を楽しむのも一考。

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木陰でのんびり

 島を自転車で巡っていくうちに、徒歩じゃないと先に進めないポイントに差し掛かる。自転車を降りて、探検してみる。誰もおらず、心細かったが、ペンキの矢印の誘導があるので、何とか歩みを進めることが出来た。30~40ほど岩肌に沿って歩いて行くと突然目の前の視界が開けた。

 誰もいない美しい砂浜が遥か彼方まで続いている。贅沢な景色を独り占めだ。

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誰もいない

  美しい景色を堪能し、元来た道を戻る。自転車を停留した横の売店でココナッツジュースを購入し乾いた喉を潤した。

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ぬるかったけど、全身に染み渡るココナッツジュース

 サイクリングと散歩を堪能したらあっという間に15時過ぎになった。宿のあるプララン島に戻る。バス停から宿に向かう途中の夕日が美しく、写真を何枚も撮影した。

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Beautiful Sunset

注意点

 素晴らしい景色を独り占めできる観光地ではある。しかし、実際に訪れるとなると何点か注意点がある。

 

①高い物価

 ヨーロッパ人の高級リゾート地なだけあり、一泊三万円以上が相場である。食堂では一食2000円~3000円は覚悟した方が良い。タクシーも割高なので、現地の旅行客とうまく乗り合いでシェアすると安く抑えられる。ただし相手を見極めることが重要。家族連れが相手だと安心。

 

②医療体制

 高度な治療を受けるためには飛行機で5時間ほどのドバイまで行く必要がある。持病がある人は注意が必要。また、交通事故にも注意。

 

③現地人

 単独旅行者向けに「Hi Friend」と言って気安く声をかけてくる現地人には要注意。声かけに応じて、同行すると勝手にガイド料金をせびってくる。声掛けには安易に応じないことが肝要。

 

④アクセス

 日本からの直行便は無く、エミレーツ航空でドバイ経由で行くか、カタール航空でドーハ経由で行くのが一般的。トランジットを長めにとって、2日ほど都市観光するのもお勧め。

 イギリスのヒースロー、スイスへのチューリッヒの便もあるので、新婚旅行でヨーロッパ観光と兼ねることも可能。

 どちらにしろ最短でも片道で丸二日かかるとは覚悟しよう。