スマート駄目リーマンの忘備録

旅行記、キャリア論、世相分析など思ったことを書き連ねます

メーカーの地方事業所で見た少子化の現実

新卒で東証一部メーカーの東北(田舎)の事業所に配属

 私は新卒時に設計者として、東証一部メーカーの田舎の事業所に配属されました。地方で総合職ならば、そこの地元では給与は高く出会いには困らないだろうと勝手に考えていました。

 

30代の独身の先輩がかなり多かった

 しかしながら、実際に配属されて、そこで働き始めると若い女性は皆無でした。いても既婚者ばかりでした。そして、性格もルックスも問題の無い男性社員の先輩で独身の人が多くいたことに衝撃を受けました。

 

若い女性は都会へ

 若い女性は、田舎から都会に出てしまっていました。確か事業所全体で2%程度しか若い女性はいなかったと記憶しています。その女性たちは製造現場の派遣、もしくは人事、経理などの文系職のため、設計・開発部には20代女性は全くおらず、大きな絶望感を感じていました。そこにはかつて一般職で設計アシスタントとして採用されて、30代を過ぎても一般職として働き続けている妙齢な女性が多く生息していました。

 

メーカー地方事業所の昔のロールモデル

 かつてのメーカー地方事業所では、一般職として入社した地元の女性が、総合職の男性社員と結婚→その一般職の女性たちは寿退社→若い一般職の女性が入社してくる。→新たに配属された総合職の男性社員と結婚というロールモデルが成立していたため、社内の総合職の男性(就職氷河期世代以上)は皆、結婚できていました。

 

1990年代後半からロールモデルが崩壊

 1990年代からの不況の煽りを受けて、男性の賃金が伸び悩み、三十才を過ぎて、本来寿退社するはずの一般職女性が辞めなくなりました。その結果、若い一般職女性の採用が大幅に絞られて、適齢期の総合職男性があぶれるようになりました。

 地方では雇用の受け皿が小さく、退職した後に旦那の低い給与を補うために安い時給でパートするよりも楽な一般職に正社員としてしがみついた方がおいしいため、当事者としては合理的な選択でした。

 

まとめ

 昨今の少子化問題は1990年代からの不況の煽りと、正社員の解雇規制による雇用の硬直性が原因であると考えられます。

 長時間残業、きついプレッシャーにも関わらず、給与もそれほど多くない、異性との出会いも無いという状況で、就職氷河期以降の男性総合職のエンジニアにとって非常に不遇でありました。また、若い女性が地元で就職できるチャンスを得られず、都会に行かざるを得なかったことも悲劇であると思います。