今日はカザンからスビヤズスク島への一日ツアーに出かける。地下鉄で、中心街のショッピングモールにある旅行代理店へ向かう。英語のガイドツアーに申し込み、バスでスビヤズスク島に向かった。しばらくバスに揺られると雄大なボルガ川の鉄橋に差し掛かった。写真を何枚か撮影し、それから小一時間ほどでスビヤズスク島に到着。
ここは2017年に世界遺産に登録されたばかりで、まだ無名であった。しかし、観光客が少ないので、非常に開放的な気分に浸れた。アクセス手段は車しかないので、行きにくいというのも背景としてあるだろう。
青空と白いロシア正教会のコントラストが美しい。学術的にも非常に珍しい木造の教会も存在し、島内の見どころは尽きない。
同じツアーに参加していたイギリス人に話しかけると彼もワールドカップを観戦しに来たついでに参加したそうだ。日本とイギリスの予選リーグの順位如何では決勝トーナメントの一回戦で対戦することになるねなど他愛のないサッカー談義に花を咲かせた。ゴミ一つ落ちていない美しい風景、島を横切る爽快な風。身体も精神も心地よい。
ガイドの女性はスカーフをかぶっており、ムスリムのようだ。やはりここはイスラム教の影響が強いのだと改めて感じた。
お昼の時間になると一時間、昼食のための自由行動を許された。私は島内の露店でボルシチを食らった。隣の机の若者の一団が気さくに英語で話しかけてくれた。話が弾むとロシア政治にも話題が及び、プーチン首相の続投は本当に民意を反映したものか質問したが、あまり芳しくない回答だった。やはり複雑な背景があるようだった。
お昼休憩が終わり、島の周縁部を散策した後、バスで帰路についた。カザンに到着したのは17時半くらいだったろうか。その足でショッピングモールに向かい、寿司を食べた。内陸部の都市の割には、ネタも新鮮で悪くない味だった。寿司を堪能し、地下鉄に乗ってホテルに戻った。地下鉄のイラストはイスラミックなデザインでとても不思議な気分だった。西洋文化とイスラム文化の接妙な配合。
今回はスペイン対イランの試合を見るためにカザンへ立ち寄ることになったが、街の分化や魅力的な世界遺産など観光資源が豊富にある素晴らしい都市であった。モスクワとエカテリンブルクの途中の駅で通り過ぎてしまう人が多いかもしれないが、もしロシアに観光に行く機会があれば是非とも立ち寄って欲しい街である。