6/23 本日は昼過ぎの列車でカザンからエカテリンブルクへ向かう。午前中はカザン市内をすることにした。朝食を喫茶店で食べて、目抜き通りのバウマン通りを散策する。その後、教会の塔の展望台に上り、市内を一望。
遠目にカザンクレムリンを望む。
塔で景色を堪能し、散歩を続けているとに喫茶店のオープンテラスで、見覚えのある顔が目に入った。あの方は元清水エスパルスの澤登選手だ。ドーハの悲劇の時に日本代表として現地で死闘を繰り広げた、時代の生き証人。
迷惑かもしれないことを承知で、思い切って声をかけた。
「あのーお休み中にすいません。元サッカー日本代表の澤登選手ですよね?」
そして、サッカーチケットを取り出して、そこにサインをしていただけないか頼んだ。
澤登さんは、快くサインをしてくれた。ほんの二言、三言会話を交わしてくれた。そして最後に、手を差し出して、固い握手を交わしてくれた。その手の大きさ、握力の強さは今でも決して忘れえないものだった。
都並さんの時も感じたことだったが、一流選手には特有の眼力の強さがあった。一つのことに打ち込み、真摯に努力してきた姿勢。ぶれない信念など。眼力からあふれる何かを感じた。
澤登さんにお別れの挨拶をして、散歩をしばらく続けた。時計に目をやるとお昼近く。駅に向かい、列車を待つことにする。駅に着くとfree wifiを拾い、expediaでエカテリンブルクのホテルを予約した。売店でチョコレートソフトクリームを買って、味を堪能した。ロシアは冬でもアイスクリームが人気なアイスクリーム大国なのだそうだ。それも影響してか、市販のアイスクリームも非常においしく、思わず唸ってしまうのであった。
列車がホームに入線し、乗り込む。寝台列車だが、今日中にエカテリンブルクへ到着予定なので、寝台は用いない。向かいの席には50前後の女性が座っていた。英語が堪能なので、非常に会話が進んだ。
その女性は製品審査機関で働いており、製品認定審査のための出張でエカテリンブルクへ向かっているとのことだ。フィギュアスケートの羽生選手のファンで親日家。大変賢く、頭に浮かんできた疑問や思考プロセスを逐次ノートに記録しているとのことだった。
会話が弾みすぎて、いつの間にかロシアの医療制度にまで話が及んだ。ロシアにも医療保険制度はあるが、日本と比べて非常に限定されているようだ。地域ブロック毎に利用できる公立病院が限定されている。よって選択の余地は無い。医者や病院を選ぶためにはお金を余計に支払って、私立の病院に行かねばならない。
ロシアの社会制度のことまで突っ込んだ会話が出来て大変満足。大学時代に無理して英検準一級を取得しただけの甲斐があった。
エカテリンブルクに着いたら、どうするのか質問されると、とりあえず予約したホテルに向かうと回答した。そうすると隣に座る女性に声をかけて、私をホテルまで車で乗せて連れて行ってもらえないか頼んでくれた。大変喜ばしく、ご厚意に甘えることにした。
エカテリンブルク駅に到着するとお別れを言って、横に座っていた女性に私を託してくれた。駅前の空は少し雲がかっていたが、透き通るような青空が広がっていた。人々の透き通るような温かい気持ちにまるで形容しているかのような青空。
15分ほどかけて、車でホテルまで乗せてもらった。ホテル前で、何度もお礼を言って記念写真を撮影させて貰った。
次の日6/24は観光。6/25は日本対セネガル 大一番の試合を観戦予定