5月あたりから日本でも新型コロナウィルスのワクチン接種が本格化して来た。しかしながら現場では混乱が続いている。同じ注射器を別の人に使い回す(肝炎やHIVは大丈夫か?)空気注射(動脈に打ったら一発で死亡の恐れ有り。筋肉注射で難を逃れた)、希釈せず通常の5倍の濃度で注射(数年後、本当に大丈夫?)ミスをあげたら、枚挙にいとまが無い。
しかも一つ一つが医療裁判に繋がるレベルの致命的なミスである。
自治体にワクチン接種を任せる事に一抹の不安があったが、それが的中してしまった。おそらく、自治体お得意のアナログ人海戦術に頼っていたことが主要因だろう。ITを有効活用したらどうだろう?例えばワクチンにバーコードを張り付けて、希釈して注射器にいれたらそこにも同じバーコードを貼り付ける。接種前にバーコードをスキャンしてサーバーで照合する。希釈倍数分の注射器が無いとエラーになるので、希釈ミスは起きても接種前にNG判定出来る。
接種直前に患者のマイナンバーとワクチンのバーコードを登録すれば、1日に複数回接種であったり、
別のワクチンを二回目に接種するミスも予防出来る。準備期間が無いなんて言い訳だ。去年の春先から、一年以上時間があったのだ。
理想を言えば、サーバーを厚労省が設置し、ガイドラインを策定し、昨年末に自治体に展開できれば良かったのだが....。もちろん運営を自治体に丸投げした国の責任はもちろん大きい。それでもやはり現場の初歩的なミスには残念さを感じてしまっている。
そもそもこれだけITが発達しているのに自治体の人間はそれらに疎く、扱い方が分からないのだろう。そろそろ自治体の選考基準を改正して、情報系人材を積極的に採用するべきだろう。また、国からの指令を受け身で待つのでは無く、自治体が積極的に情報収集をするべきである。ワクチン接種が早かったイスラエルや欧州、オセアニアの一部をモデルケースにしたり、場合によっては直接問い合わせてもいい。海外の都市と姉妹都市の協定を結んでいるので、何らかの伝手はあったはずだ。(今の自治体の職制にそうした事は期待出来ないかもしれないが。)
昔から行政の非効率なアナログ体制には疑問を感じていたが、今回のコロナ危機でそれが露呈してしまった。
特に選挙。手書きで、選管が人手を総動員して手集計。電子投票にしたら、中国やロシアからのサイバー攻撃のリスクがあり、それを回避する目的なら納得出来た。(アメリカの州選挙の電子投票システムはロシアから度々攻撃を受けている)しかし、今回のワクチン接種のオペレーションを鑑みるに、ただ単にITに疎いだけという確信に至った。さらに前例の無いものはやらないと言う悪しき前例主義に囚われて、新しいシステムが一向に浸透しない。
そういや去年の10万円の給付金申請でも、画面をプリントアウトしてボールペンで確認してる様子をテレビで見た時も卒倒しそうになったっけ。
こんな非効率な役所の運営の為に安く無い税金を払ってると思うと本当に残念。IT化を推進して、それについて行けない職員はリストラして、人件費を削減して税金を安くして欲しい。非情かもしれないが、日本国民の健康と国益が掛かっているのだから。
ある程度自治体へ段階的に権限移譲して、機動的に動けるようにしないといけない段階に来ている。
今までの様な前例、受け身の姿勢からの脱却を期待したい。