スマート駄目リーマンの忘備録

旅行記、キャリア論、世相分析など思ったことを書き連ねます

お茶汲みが仕事だっていいじゃない?!

 5~6年前くらいから顕著に道路の交通整理に女性を見かけるようになった。また宅配便のドライバーにも女性をぽつぽつ見かけるようになった。
景気の指標について、偉い経済学者がGDPの前年比~%減少など宣うが、そんなことよりももっと感覚的で分かりやすい景気後退の指標がある。
それは一番最初の文で述べたように、従来男性が中心であった泥臭いに仕事に女性が参画するようになったかどうかだ。
男女平等なんだから、従来男性が主にやっていた仕事を女性が行うことの何が悪いという反論はごもっともである。
しかしながら、皆があまりやりたがらない力仕事を男性に比べて平均的な体力が劣る女性が、敢えて取り組むだろうか?
そうせざるを得ない何かがあると考えた方が自然なのではないだろうか?
 従来は男性が力仕事をする一方で、会社の一般事務仕事は女性の専売特許であった。例えスキルレベルは低くても、長年の勤続をねぎらう意味で、おばちゃんにそうした仕事をあてがい、雇用を確保していたのが日本企業であった。
 それが急変したのは2000年代、小泉政権の下で一般業務にも派遣業が入り込む。失われた10年の後に景気が上向かずに、苦境にあえいでいた企業にとっては渡りに船だ。付加価値の低い一般事務作業をコストの安い派遣に置き換えて行った。
ただし、リーマンショックの前まではその派遣のおばちゃんの入り込む隙がまだ残っていたのだ。(雇用はそのままで、正社員から派遣になっただけ)

 しかしながら、2008年のリーマンショックにより、日本の企業はさらなる苦境にあえぐ。私はその当時東証一部上場企業に勤務していたが、派遣の事務のおばちゃんが真っ先にターゲットにされたことを良く覚えている。新人で駆け出しのころに部品の手配などでお世話になったおばちゃんたちが、次と次と涙を流して去っていく姿は見るに忍びなかった。そうしたおばちゃんは当初一般事務の正社員として雇われ、2000年初頭のITバブルの崩壊で、会社が経営する派遣会社の派遣社員に降格させられた。
そしてリーマンショックを経てついに解雇。
その時点で、おばちゃんがのらりくらりと事務で働ける場は公務員を除き皆無になったと言っていい。そして、スーパーやコンビニのレジに流れ着く。(もしくは会社や学校の食堂や清掃作業)
2000年代までコンビニのレジとかは、大学生や20代のフリーターが大半だったイメージだが、2010年代あたりから主婦層や子育ての終わったおばちゃんが目立ってきた印象だ。
しかしながら、コンビニやスーパーのオペレーションは意外に複雑だ。それについていけないおばちゃんは配送業や警備員に流れ着くことになる。
六十過ぎて重たい荷物を持って配送するおばちゃんは気の毒だ。私は荷物の配送をお願いする立場であったが、配送員のおばちゃんを見かねてアパートの自分の住んでる四階から一階まで代わりに荷物を降ろしてあげたことがあった。
そこでは職業選択の自由男女雇用機会均等法などという言葉は安っぽい言葉に成り下がる。生きて行くために、それしか出来ないのだ。

(清掃作業では70過ぎのおばちゃん(おばあちゃん)も今や珍しくなくなった。
50代、60代のおばちゃんには清掃作業員の仕事は回ってこないのかもしれない。また食堂の雇用にも限りがある。)

たまにイキッたフェミが女性にお茶くみをさせるのは差別と喚き散らしているが、私はそれに怒りを感じる。
お茶汲むだけで、仕事が成り立って、金を貰えるならばそれでいいじゃないかと。

(一般事務の仕事にはお茶汲みも当然含まれていた)
私は前職で火力発電所の熱交換機の設計を行っていた。据え付け現場や部品の加工作業現場にも視察で訪れ、実際に自分も溶接作業を経験した。
夏の溶接作業現場は体感温度で50度を超す。溶接機には高圧電流が流れ、一歩間違えたらあの世行きだ。
鉄板の溶接では、鉄板が何かの弾みで作業者に倒れてきたら、下敷きになって体がつぶれるだろう。
お茶汲みを拒否しても構わない。だが、そうした危険作業や配送などの重労働を行う覚悟を持つ必要がある。そもそも、そうした危険作業がこの世にあることが分かっているのだろうか?