ミュンヘンからフランクフルトへ
ミュンヘンで準決勝を観戦した後はフランクフルトへ向かった。フランクフルトで二泊した後にルフトハンザ航空の成田行きに乗って帰るためだ。
二日程度の滞在の為、遠出する訳にも行かず、ライン川の美術館に立ち寄ったり、ライン川沿いのカフェで本を読んだりして過ごした。観光では無く、一か月に渡る旅の小休止という言葉が適当だろう。
初めての海外での長期旅行で、当初は不安も大きかった。しかし、現地で英語でのコミュニケーションが取れたおかげで、現地や海外の人と友達になれたし、それなりに深い話も出来た。
しかしながら、滞在のほとんどが8人部屋のいわゆるドミトリーという事もあり、精神的な疲れが蓄積してきたことは否めなかった。
やはり、日本人の性なのか、一ヶ月近くもドイツにいると温泉に入って、畳の部屋で寝ころびたいという欲求が高まって来た。
帰国
帰りの飛行機では足を延ばしたかったので、非常口前の近くで、前に席が無い所にして欲しいとチェックインカウンターで懇願したところ、快く受け入れて貰えた。
とにかく疲れがたまっており、帰りの飛行機ではずっと目を閉じて、ひたすら休んでいた。
大学の夏学期期末試験前に無事に成田空港に到着した。携帯電話の電源をONにすると大学の友人から授業内試験の開催を知らせるメールが何通も届いていた。
その科目は建築美術という一般教養であった。期末試験中に試験を行わず、最後の授業で試験を行っていたのだ。当然ドイツにいる私は受験できなかった。
しかしながら、非常に親切な教授で、救済措置としてレポートを代わりに提出すれば単位を頂けるとのことだった。夏休み中にドイツで撮影したケルン大聖堂の写真をレポートに沢山盛り込んで、適当な考察を付けて提出したところAの評価が頂けた。
まとめ
ドイツワールドカップ観戦の一人旅で、海外の一人旅の面白さに覚醒してしまい、社会人になってからも、長期休みを利用しては世界の様々な国を巡った。
中学生時代、社会の授業中に先生の説明は上の空で、世界の地図帳を眺めては、ここは一体どんな場所でどんな景色が広がっているのだろうかと思いを馳せていた。
そうした思いを実際の旅で確認して行く作業を大人になってからひたすらやり続けたのだった。
もし、この旅で散々な目に遭い、二度と海外旅行なんて行くかボケ!!という気持ちになったら、その後の海外旅行での様々な思い出は無かっただろう。そうした意味で、初めての海外一人旅のドイツが楽しい思い出になったことは、私の中で非常に重要な意味を持っていたのだ。
ここ数年、コロナ騒動による入国規制で思うように海外旅行が出来なくなっていたが、若い人は是非、日本の外の空気を思う存分堪能してきて欲しい。終わり。