スマート駄目リーマンの忘備録

旅行記、キャリア論、世相分析など思ったことを書き連ねます

転職先で生き残る方法

希望を胸に転職

 大抵の人は、希望を胸に秘めて転職する事でしょう。前職では物足りなくなって、自分のスキルを転職先で伸ばしたい。転職先で評価されて、給与upを狙いたいetc・・。

転職先には自分よりも出来るライバルが一杯

 しかし、しかし。転職先には自分よりも出来る人が一杯。自分の中での自信は脆くも崩れ去っていきます。前職で得意としていたスキルを伸ばして、給与を上げるどころか。この転職先でクビにされずに生き残ることが、そもそも出来るのかという不安に襲われていきます。

ヤバい 早く追いつかないと

 何とか同僚に追いつかなきゃ。焦りは募ります。しかし、焦りは更なる焦りを生み、思うように成果が出せません。

逆転の発想(追いつくことを諦める)

 おそらく、年収upの転職の場合、新たな職場の同僚のメインスキルのレベルは自分と同等以上の場合がほとんどです。レベルの高い職場では元々いた人の基礎的なレベルが高いので、頑張っても中々追いつけません。

 そこで、逆転の発想です。メインスキルで追いつくことを諦めて、最低限職場で足を引っ張らない程度に留めます。その代わり、今の職場の同僚には出来ないが、自分には出来るスキルを探します。そしてそのスキルは、会社の業務に役立つかを見極めます。そのスキルが役立つことが分かったら、そちらのスキルを伸ばして、自分の存在意義を確立します。

自身の経験

 機構設計の経験を活かして、無線端末の機器を開発している会社に転職しましたが、そこには既に金型設計なども経験した設計者がおり、全く歯が立たないと感じました。私は当初、自身に不足している金型設計の知識を補おうと、書籍などで勉強しましたが、空回りでした。

 そこで、私は金型の知識については一旦諦めて、自分には出来て、その人には出来ないことは何だろうと発想を転換しました。その人はモデリングには強いですが、数値的な強度解析や安全設計を苦手としているようでした。

 よって、私は積極的にその役割を買って出ました。そして、その人が感覚や経験論でモデリングしていた内容を数式レベルに落とし込んで、体系化しました。

 その結果、私とその人は役割が被ることが無く、不足部分を補う形で、大きなシナジーを発揮しました。その人が見落としていた、モデルの強度不足部位を私は数値解析で見つけ出し、不具合の発生を事前に食い止めることが出来ました。こうして、既存の製品の故障返品率は劇的に低下しました。

 私は、安全設計基準の策定という新たな分野を会社の中で確立し、故障が起きたらまずは私に相談しようという営業技術の方も増えて行きました。当初は金型設計が分からずに、仕方なく取り組んだ仕事がいつの間にか会社の技術部門の柱にまで成長しました。

転職先選びの戦略

 多くの人は、転職先の強みを吸収して、更にスキルアップをしたいと思うでしょう。しかし、逆転の発想で、その転職先にはまだノウハウが無くて、自分がそれを提供できるチャンスは無いかと視点を変えてみましょう。そうすると転職先ではライバルは少ないため、自分が有利な立場に立てます。当然ながら、昇進も早くなりやすいです。

転職後の戦略

 同僚のスキルを観察して、その人たちには無くて、自分にはあるものを徹底的に考えてみてください。競争の激しいレッドオーシャンを避けて、競争の緩いブルーオーシャンを探すのが勝つための鉄則です。

 ただし、その会社で最低限要求されている知識は習得する必要があります。そこの部分については頑張ってください。私も金型設計の基礎的な知識を習得した上で、強度設計に軸足を移しました。

 また、転職先の上司の雑用を積極的に行うのもお勧めです。私は転職先の上司の技術検討会に同席するときは、必ず議事録を書いて、今後の上司のアクションプランを整理して、上司の黒子役として、積極的に上司を支えました。

 どうしても、転職したばかりでは自分をアピールすることに気が向きがちですが、敢えて黒子に徹して、周囲からの信頼を得るのが先決です。

まとめ

 転職の内定が決まって、給与が上がりそうと浮かれるのは早いです。転職先できちんと生き残って、上った給与を永続的に得ることが先決です。

 そのためには転職先の現状を冷静に観察して、自分の中の何を会社に提供したら、会社のプラスになるのか、しっかりと考えて下さい。