スマート駄目リーマンの忘備録

旅行記、キャリア論、世相分析など思ったことを書き連ねます

クラウドワークス体験談

クラウドワークスとは

 オンライン上で、webデザイン、動画編集、翻訳などの仕事(オンライン上で完結する仕事全般)を依頼したい人と受注したい人をマッチングするサービスです。

勤務形態

 仕事を受注する人は個人事業主として、業務委託の形で働くので、最低自給などの規定は無く、安く買いたたかれる傾向があります。

 例えば記事の作成代行の仕事ですと、一文字0,5円前後なので2000字(原稿用紙五枚分)を書いてやっと1000円と言ったところです。

 通常の内容の記事でも、執筆とチェックを合わせると合計3~4時間ほどかかるでしょう。

 内容が難しい記事だったり、取材が必要な記事などはトータルで6~7時間ほでかかるでしょう。

 場合によっては一度原稿を納品した後で修正作業が入るので、トータルで10時間ほどかかることも・・・。

 時給に換算すると300円すら余裕で切ってしまいますが、依頼者との雇用関係は無いので、違法ではありません。

 あまりにも契約金額が安い案件について、問題視する声は上がっていますが、厳しい取り締まりは行われていません。

crowdworks.secure.force.com

 

業界内の規制を調査する仕事の依頼

 私は試しにコンサル会社の社員から、某業界の規制についての調査を請け負いました。

 1時間程、依頼者と軽めの面談をオンラインで行いましたが、依頼者はどうやら、自分が勤務しているコンサル会社の自分の業務をクラウドワークスに横流ししているようでした。

 しかも、依頼者は全く不勉強で、調査に必要な周辺知識についても、仕事の受注者に依存しておりました。

マイルストーン1件で1500円~2000円

 某業界内の各種規制についての調査をマイルストーンに分割し、そのマイルストーン1件当たり、1500円~2000円という事で合意して仕事を開始しました。

 しかし、実際に調査を行ってみるとネットにあまり情報が無く、詳細な情報を拾って、繋ぎわせて、まとめるのに大変骨が折れる作業でした。

 しかも業務難易度の観点から、これは正社員がやるべき内容なのではないか?マイルストーン1件当たりの金額が安すぎるのではと思うに至りました。

 マイルストーン1件当たりについて、約2時間~3時間の時間を要していたので、時給換算で1000円を大幅に切ります。業務難易度と報酬が釣り合っていません。

 また、コンサル会社の業務を会社に無許可で、外部に依頼する事は、コンプライアンス的にマズいのではと感じました。

下請法違反?!

 上記の様な疑念を抱きつつも、一度請けた仕事は最後までやりきろうという責任感で、何とか仕事を継続していましたが、ついに見過ごせない事案が発生しました。

 前回、次のマイルストーン契約でAという事案まで調べて、2000円が支払われるはずでしたが、納品の段階になって、次のマイルストーンのBという事案まで調査すると確約しないと、A事案の報酬を支払わないとゴネられました。

 しかしながら、これは下請法に接触する恐れがあります。とりあえず、その依頼を飲むことは出来ないですが、報酬は貰いたいので、Bにも取り組みますと形式的に回答しました。

ついに離脱

 とりあえず、Aという事案の調査までの報酬は貰い、次のBの事案については適当にこなしました。

 依頼者はコンサル会社の正社員という立場でありながら、かなり重要な案件を完全に私に依存し、自分の仕事を舐め切っていました。その姿勢に徐々に怒りを感じるようにもなりました。(私に聞いてばかりで、全く自分自身で勉強しようとしませんでした。)

 Bという事案の調査は依頼者がコンサル会社の重要なプレゼン資料で使用する内容だったようですが、直前になって、私には難易度が高く、調査が完遂出来ませんでしたと伝えました。

 今までの流れから、私の仕事を完全に当てにしていた依頼者は、相当慌てていたようでした。

 そもそも当初の契約を守らずに、次の仕事を引き受けないと、今までの報酬を払わないと言ってきた依頼者が悪いので、仕方ないですね。

労働力の買いたたき&コンプラ違反

 自身の経験と他者の体験談を総合的に分析すると、発注者との雇用契約が無いことを良しとして、受注者に適正な報酬が支払われていない印象を受けました。

 受注者は契約時に金額についての合意がなされたとしても、実際に仕事をこなしてみないと、合意の金額が適性なのか分からない側面があります。

 仕事に着手した後でも難易度に応じて、報酬を上げる必要性があると思います。

 また一社員として会社から受けた業務をクラウドワークスで第三者横流しにする、当初の契約を守らないなど、コンプライアンス違反が起きやすい環境も改善が必要ですね。

まとめ

 オンラインで第三者に気軽に仕事を依頼できるのは大変便利ですが、受注者を守るための規制(最低賃金など)や依頼者にコンプライアンス順守を徹底させる必要があると感じました。

 そうした環境を整備しないと、せっかく仕事を受注しても、失望感を抱いて辞めて行く受注者が後を絶たないでしょう。