誘導電動機の基本原理
誘導電動機の動作原理の説明に必ずと言って良いほど用いられるアラゴーの円盤。(金属板の上で磁石を動かすと、それに追従して金属板も動く原理。)
参考書などを開いても、こうなりますとサラッと書いているだけで、どうしてそうなるのかについての説明が十分では無い印象である。
今回はアラゴの円盤についての詳細なメカニズムについて説明する。
一般的な物理現象
一般的に物理現象は今の状態をなるべく維持するような力が働く。
摩擦力
→物体を現在の位置から動かそうとすると、それを拒むように動かす方向と逆向きに摩擦力が発生する。
誘導起電力
→磁界を変化させようとすると、それを妨げる磁界を発生するように電流が発生する。
アラゴの円盤で起きている現象
磁石から生じている磁界が移動するので、金属板上で磁界の移動を妨げる向きに誘導電流が発生する。
①の場所
下向きの磁界が、磁石の移動に伴って消失していくので、その磁界をキープするための誘導電流が発生する。
②の場所
下向きの磁界が、磁石の移動に伴って増加していくので、その磁界の増加を妨げる逆向きの磁界を発生させるための誘導電流が生じる。
電流と磁界の向きの関係は右ネジの法則を参照。
これより磁石から生じる黄色の磁界と赤い合成電流が、フレミング左手の法則に基づき、円盤を回転させる方向に力が作用する。