スマート駄目リーマンの忘備録

旅行記、キャリア論、世相分析など思ったことを書き連ねます

無効電力とは何か?!

無効電力

 コンデンサーやコイルが回路に接続している時に発生する電力で、実際に消費されない電力という説明が一般的になされていますが、消費しない電力とは一体何のことだかさっぱり分からない人もいるでしょう。

 これについては一周期分の電力の計算を行うことで、納得出来ると思います。

電力の計算

通常の抵抗の場合

電圧と電流の振幅を簡単のためにいずれも1とします。

電圧 V=sinθ 

電流 I=sinθ

電力 P=VI=sinθ×sinθ=sin2θ=1/2(1-cos2θ)

0からπまでの積分値はπ/2

 

コンデンサーの場合

電圧と電流の振幅を簡単のためにいずれも1とします。

電圧 V=sinθ 

電流 I=sin(θ+π/2)=cosθ コンデンサーの電流は電圧に対して位相がπ/2進みます)

電力 P=VI= sinθ×cosθ= sinθcosθ=1/2×sin2θ

0からπまでの積分値は0

 

まとめ

有効電力

電圧と電流の位相が合致している部分の電力の積分値で、積分値は0にはなりません。

無効電力

無効電力とは電圧と電流の位相がπ/2ずれていて、一周期分の電力の積分値が0になります。

 

 

 

 

台風や地震でも無理して出社する日本人

 

 

災害発生時にも無理して出社する日本人

 最近、太平洋沿岸沿いを中心に地震が頻発しています。日本人の精神的な特性から、今後も災害発生時にも無理して出社する人が多くいると思われます。

 しかしながら、こうしたことは従業員本人及び会社にとって、リスクが非常に大きいものです。

 今回はこうしたリスクが非常に大きく、リターンは少ないのに何故日本人は災害でも無理して出社するのか考察しようと思います。

本当に出勤するべき人達のみが出勤すべき

 ここで、一点注意ですが、こうした災害時は医療機関、インフラなどのエッセンシャルワーカーのみが通勤すべきであり、それ以外の方はなるべく出勤を控えて、そうした方に道や席を譲ってあげるのが望ましい姿です。

 それでも何故、それ以外の人達も出勤してしまうのでしょうか?

残酷な真実

社員の立場

 災害発生時では公共交通機関に遅れが出ます。また、減便になり、激混みです。始業時間を大幅に超過し、昼前にやっと会社に到着します。

 さらに公共交通機関の社内が混んでいると新型コロナウィルスの感染リスクが大幅に上昇しますし、通勤中に災害に見舞われる可能性も存在します。

 このように様々なリスクを冒して疲弊した状態で出社しても、仕事に集中できるのでしょうか?

 結局、その日は会社には出勤した意欲を示しただけで、会社に対して大した貢献は出来ません。

 私の身の回りの体験だと、台風の日に無理して出社したせいで、疲弊して次の日に休んでしまう社員が一定数いました。

 それならば、最初から台風の日に休んで、収まった次の日に出社した方が良いじゃんと誰もが思うでしょう。

会社の立場

 出勤途中の社員が災害で、怪我をすれば労災になり、会社は社員に対して補償する必要があります。

 無理して出社させても、大したパフォーマンスがあげられないのに、リスクだけを背負い込み、全く利点がありません。

 

日本人のメンタリティ

 災害時に無理して出社する日本人のメンタリティーについては随所で語られていますが、ここの部分の根っこは相当深い気がします。

農耕民族

 日本人は田畑を中心として村を形成し、長年、集落の仲間と助け合いながら生きてきた農耕民族の精神性が根付いています。

 激しい雨が降って、田畑がぐちゃぐちゃになれば、村人の食料が欠乏し、生存の危機に瀕します。

 その為、激しい雨が降ったら、田畑に水が溜まらないように村人一同で水吐きを行う必要があります。そんな時に、危ねーからと言って、水吐きを手伝わない奴は、一発で村八分です。よって、村八分になってしまうことの潜在的な恐怖感が日本人には未だ根付いているのかもしれません。

メンバーシップ雇用

 現代は、多くの日本人が農耕を生業にしなくなりましたが、その代わりに会社が村の役割を担うようになりました。

 専門性を考慮せずに、総合職という枠で、会社の為に頑張ってくれる社員を緩く、広く採用して、会社の中でだけ生きて行けるように飼いならします。

 終身雇用が機能している間は、このような飼いならしは社員にとってもメリットがありました。

 今は終身雇用が絶対では無くなりましたが、会社という村を出て行く自信がある会社員は少ないので、会社から村八分にされまいと多くの会社員は考えます。

(今の20~30代の若者や高スキル社員を除き、新卒から会社の中でしか生きていけないように飼いならされてきてしまったので、今さらどうしようもなりません。)

災害時の出社をリトマス試験紙として利用する経営陣

 災害時に経営陣が出社している中、部下もそれに付いてきてくれるか否かで、部下の意欲や忠誠心を計ろうとする経営陣が未だに多いです。

 私は、台風の日に会社を休んだら、当時の上司から「お前より遠くから通勤しているあいつは会社に来てるぞ」とメールが来て、ゾッとした気持ちになりました。

 危険を冒してでも、会社に来ることを美徳とする価値観を私はついぞ理解出来なかったのでした。

 社員の意欲をこのような危険を冒して会社に来たかどうかで評価するのではなく、業務に関連する資格を意欲的に取得しているか、業務効率化のための工夫を日々実践しているかによって計るべきです。

 全く、終身雇用を保証出来なくなったくせに、社員に忠誠心だけは未だに要求する経営陣には困ったものです。 

パフォーマンスこそが唯一無二の存在

 会社は終身雇用を保証できなくなった今、社員が災害時に無理して出社することで、会社への忠誠心をアピールする時代は終わりました。

 これからは会社へのパフォーマンスの高さで、勝負する時代になってきたと思います。台風に無理して出社して、次の日に休む社員よりも、台風の日は体力を温存し、台風が過ぎ去った次の日に集中して働く社員の方が合理的です。

 このように会社に良いパフォーマンスを与えてくれる社員が、これからの時代に求められる社員です。

まとめ

 メンバーシップ型の終身雇用の時代が終わりつつあることを経営層も労働者もいい加減受け入れて、ある程度ドライな関係性になったほうが、お互いに幸福だと思います。

 そして、意欲は仕事上のパフォーマンスや社員の自己啓発(業務に関連する資格の取得)によって計るべきです。

 

 

長い春休み(東日本大震災からの逃亡)パクセー

ルアンパバーンからパクセーへ

 ラオス北部のルアンパバーンから南部の都市パクセーを目指す。バスは寝台のVIPバスを選択した。

 このようなVIPバスと言われるものは通路沿いに2段ベッド式の寝台が設置されており、完全に横になりながら移動できる。

 ビエンチャンからルアンパバーンへの道のりで、座席での移動にヘトヘトだった自分には非常にありがたかった。

 バスは夜通し走ったが、明け方にエンジントラブルで二時間ほど立ち往生。予定より遅れたが、無事にパクセーに到着した。

のどかなパクセー

 ビエンチャンの大気汚染、ルアンパバーンの喧騒に疲れた自分にとって、そうしたノイズが無いパクセーは非常に居心地が良かった。ホテルの個室で、疲労した心と体を休めることが出来た。

世界遺産プラサート・ワット・プーへ

 ホテルで一泊し次の日に世界遺産プラサート・ワット・プーへ出かけた。パクセーからの直行バスが無く、三輪バイクタクシー→渡し舟(メコン川)→三輪バイクタクシーの乗り継ぎでプラサート・ワット・プーを目指した。

 最後の乗り継ぎのバイクタクシーのおっちゃんに二時間後に迎えに来て貰うように頼んで、遺跡を堪能した。

 神殿は今にも崩壊しそうで、ところどころ補強が為されていたが、このような適度な廃墟感が哀愁を掻き立てた。

   

 遺跡の公園の奥まで歩を進めて、小高い丘に登ると遺跡が一望できた。

メコン川の眺め

 二時間ほど遺跡を堪能すると三輪バイクタクシーが遺跡の入り口で迎えに来てくれた。そのバイクタクシーでメコン川渡し船乗り場まで送ってもらった。

 渡し舟乗り場の横にテラスからメコン川を一望できるレストランがあり、そこで昼食を食べた。

 昼食を食べ終えた後は、コーヒーを飲みながら、ひたすらメコン川の流れをボーっと眺めていた。非常に美しい川の流れ。ずっとここに留まって眺めていたい衝動に駆られた。

 残念ながら、この風景を収めた写真は見当たらない。写真を撮る隙も無いほど、メコン川の流れに心を奪われていたのだろう。

一路ホテルへ

 メコン川の長めに後ろ髪を引かれながら、渡し舟に乗り込んだ。ちょうどそこにフランス人カップルが同乗してきた。

 気品のある面持ちの二人。おしゃれな抑揚の英語。川を渡る間、彼らと他愛の無い会話を楽しんだ。新婚旅行で、こんな秘境を訪れるとは通ですね。

タイのウボンラーチャターニーへ 

 ホテルに戻り、インターネットを開きながら、その後の計画を考えた。ここからカンボジアに向かうことも魅力的だったが、タイへの国境まで行き、タイの国境の町ウボンラーチャターニーからバンコクに戻ることにした。

 メールを開くと会社の上司からのメールが目に飛び込んで来た。どうやら私は会社をクビになるらしい。

 私は会社に対して、未練が無かったので、その通知を冷静に受け入れることが出来た。

 タイやバンコクを旅して、大手企業の会社員じゃなくても生きて行く道はいくらでもあることに気が付いたので、レールから外れることに恐れは感じなくなっていった。

 

 

 

「出る杭求む」を真に受けると人生破滅するよ

 

 

出る杭求む、個性的な人材を求む

 こんな言葉が求人欄で踊ることはありませんか?こうした言葉を真に受けて、悲劇を味わう求職者が後を絶ちません。ちなみに私もその一人でした。

経営者は本気で会社を変えたいと思っている

 実は経営者は、今までの会社内の馴れ合いを打破して、新しい風を職場に吹き込みたいと本気で思っています。

 なので、「出る杭求む」「個性的な人材を求む」という言葉は、経営者サイドからは全く正直な意見です。

入社時の経営者からの期待の言葉

 私はとあるメーカーの中途採用で入社する際に取締役から、君には我が社の今までの馴れ合いの設計を打破して、新しい設計基準を作って欲しい。おかしいと思ったことは正直に言って欲しいとのお言葉を貰いました。

現場で受け入れる土壌が整っていない

 しかし、取締役の言葉を忠実に実行したら設計現場では、フルボッコに。それでは、嘘をついている訳ではないのに何が問題なのでしょうか?それはズバリ、経営層の問題意識が、現場まで浸透しておらず、現場は現状維持を望んでいるからです。

 そのため、中途入社組が新しいやり方や独創的なアイデアを提案しても、現場はそれを突っぱねます。とにかく中途入社の新人の上げ足を取り、改革を徹底的に邪魔します。

 結果的に、中途入社した人は失意の下、会社を去っていきます。

 経営層からは、今までのやり方を一新して欲しいと懇願され、愚直にその通り頑張ったのに・・・。

実はこれ、経営者と現場の怠慢が原因

経営層の怠慢

 経営層が、自分らの問題意識を現場まで周知させる取り組みを全くしていません。

 また、改革の為に中途入社の新人を採用するならば、その新人にある程度の裁量権を与えて、それに従うように現場へ徹底させなければなりません。

 中途で優秀な人さえ採用出来れば、あとはその人が勝手に改善してくれるという他力本願な経営層の方々が非常に多いです。

 経営層が最低限やるべき、改革のための土壌作りを全く行わないと中途入社の新人は梯子を外されたに等しいです。

 (経営層の言う通り、現場の改革に取り組むが、現場から反発を受けて潰される。)

→新しい参考書を買えば成績が上がると期待する受験生と一緒ですね。

現場の怠慢

 例えば製品不具合が恒常的に発生して、お客様や営業に迷惑をかけまくっているのに、自分たちの従来のやり方を頑なに変えようとしません。

 新しい手法やうまくいっている手法を学ぼうとする学習意欲が欠如し、そうしたやり方を提案する人を徹底的に潰しにかかり、保身に走ります。

じゃあ最初からコンサルに頼めばいいじゃん

 これが、難しいのです。何故かと言うと、自分たちのやるべき業務フローの改善や改革の土壌整備を全くやっていないのに改革を望んでいる経営層が、そもそも無能なのです。よって、外資コンサルが本気で切り込んだら、その無能な経営層の地位が危うくなります。

 そのため、自分たちがコントロール可能で歯向かう事のない部下という立場の中途社員を採用し、改革のポーズをとります。

 しかし、ご覧の通り、うまく行く訳ありませんよね。そもそも、経営層が本気で改革に取り組み、汗を流していれば、中途採用なんて必要ないはずなんです。

→その怠慢を安易に人で埋め合わせようとしているのが問題なのです。

まとめ

 以上から改革を経営層から要求されても、それを遂行するための予算や裁量権が付与されているかきちんと確認しましょう。

 そうしたパッケージが与えられないのであれば、経営層の言葉は全力無視で問題ないです。経営層がやりたくない汚れ仕事を中途採用者に押し付けているだけです。

理系の学部は材料工学科が意外にお勧め

昨今のAIブームで情報工学科が人気だが・・

 昨今の機械学習、AI、DXブームで情報工学科が大人気です。東京工業大学情報工学院の倍率も高いですし、東大の進振りでも情報系に進学するための最低点は非常に高いようです。

 しかしながら、私はこうしたブームに流されて、競争の激しい情報系に進学するのはいかがなものかと思います。

地味な材料工学科

 情報工学系が人気の反面で、材料工学系の人気はいまいちです。入試での倍率も比較的低いです。

 ここで注意しなければならないのは、人気が無いからと言って、社会からのニーズが無いかというとそうではありません。

passnavi.evidus.com

材料工学科からの多様な進路

 材料工学はあらゆる産業分野で必要不可欠な知識であり、非常にニーズが高いです。

 就職先を挙げれば、製鉄、自動車、エレクトロニクス、航空機、造船、セラミックスなどモノ作りをしている全ての会社からニーズがあります。

 なぜそうのようなニーズがあるのかというと、製鉄では鉄の強度を上げるためにどのような結晶を含有させれば良いのか、自動車を始めとした乗り物では、シャフトが折れない為の加工法や太さ、シャーシの厚みの検討、エレクトロニクスでは電線が切れずに、沢山の電気を運べるための送電線の開発、航空ではスペースシャトルの耐熱タイルの開発etc・・・。

 このようなモノ作りの基盤となっている学問であり、絶対に無くなることはありません。材料の強度が不足する、熱に耐えられないというのは、人命にかかわる非常に重要なことです。

educ.titech.ac.jp

材料工学の実験には高額な試験装置が必要

 材料工学の実験において、部材の強度を評価するための引張試験装置、部材の結晶構造を分析するためのX線回折装置などは、何百万円~何千万円というものであり、個人では到底調達出来ません。

引張試験装置

www.youtube.com

X線回折装置

www.youtube.com

情報工学の実験環境は個人でも構築可能

 近年、スーパーコンピュータークラウドで利用できることが可能になってきており、その気になれば、個人が大学と同程度の計算環境を準備することは容易になっています。

 ネットや本に学習教材はゴロゴロ転がっているので、本当にヤル気があれば習得が可能です。

news.mynavi.jp

材料工学のシミュレーション計算

 材料工学を理論的にミクロに追及すると量子力学の複雑な計算などに行きつきます。そこまで行かなくても、衝突→破壊 シミュレーションを行う時に、プログラミングをしたり、UNIX環境を使用する場面に遭遇します。

 このような機会に情報工学の基礎的知識を同時並行で習得するのをお勧めします。もちろん専門は材料工学ですが、それにプラスしてシミュレーション計算をプログラミングでカスタマイズ出来るようになると強いです。

 また、最低限、通常の実験データの処理で、pythonやエクセルマクロを使いこなせるようになることを目指しましょう。後は必要に応じて、独学すれば何とかなります。

まとめ

 以上のように大学卒業後の進路が決まっていない平凡な学生は、人気が無くて入りやすいけど社会からのニーズは高い材料工学科に進学することをお勧めします。

 情報工学科は卒業後にGAFAなどに入って、年収二千万プレイヤーを本気で狙う人以外はあまりお勧めできません。情報工学科以外でも理系の学部生ならば、独学で一般のIT企業に必要とされる最低限のスキル(プログラミング、数値計算法)は習得出来ます。

 情報工学科に入学して、プログラミングやアルゴリズムの適性が無かった時に、情報工学科ですと逃げ道が無く、これは非常に大きなリスクです。

 情報工学科でガチるよりも、電子工学科、物理学科、機械工学科、材料工学科などで計算機を道具として使用する過程で、プログラミングや数値計算法を習得すると多様な進路が確保出来るのでお勧めです。(実際に、情報工学科出身以外で世間に名を馳せているプログラマーは沢山います。)

 

 

 

 

九ヶ月の中学受験

小学校での違和感

 物心ついた頃から、世の中のニュースや技術に好奇心が強い子供だったと思います。プラネタリウムに行ったり、図鑑を読んだり、電車を眺めたりするのが好きでした。

 しかし、小学校の友達の話題はアニメやゲームばかりで、話していてもあまり面白くないと思っていました。

 自分を同じ興味を持った友達がいたら、どんなに面白いだろう。その頃は、まだ私立中学という存在も知りませんでした。

 

小6になって初めて私立中学の存在を知る

 小6から地元の進学塾に入塾しました。私が入塾したコースは公立中学に進学するコースでした。入塾したばかりの時は、授業が速く感じ、付いて行くのが精一杯でした。

 出来ない問題を復習する事を習慣にしたら、次第に授業に付いて行くことが出来ました。入塾して一か月後の四月に月例テストでは成績上位者一覧に名前が掲載されました。

 

進学コースが物足りなくなる

 次第になんとなく、公立中学進学コースが物足りないと思うようになってきました。その塾には進学コースとは別に中学受験コースというものがあり、そちらに入ってみたいと親と塾にお願いしました。

 そこで中学受験の存在を知り、レベルの高い中学に進学できれば、自分と同じように好奇心の強い人たちと友達になれるかもしれない。そう考えると胸がワクワクしてきました。

中学受験するには手遅れ

 残念なことに小6の5月では中学受験を目指すには遅すぎるということで、塾の多くの先生から反対されました。通常であれば、そこで話はお終いです。しかしながら、何故か中学受験コースに移れることになりました。

 コース変更の前に中学受験コースを担当している先生と面談をしました。

 その先生から、授業に付いて行くのは、おそらく無理だろう、帰りも遅い。それでもやってみるかと聞かれて、「はい」と答えました。

 

算数の週例テストが0点

 こうして、中学受験コースの下のクラスの算数の授業に参加することになりました。授業では比の計算や三角形の相似を取り扱っていました。正直チンプンカンプンで全く分かりませんでした。その授業内での週例テストの点数は0点でした。

 漫画ドラえもんのび太が0点を取ったのを馬鹿にしていましたが、この時ばかりはのび太に同情しました。60分の試験時間中、全く何も分からずに過ごすことがどれだけ苦痛か知ることが出来ました。

 正直、こんな難しい問題を解ける中学受験コースの友達は天才なのではと思ったほどでした。

 とんでもない所に自分は来てしまった。受験ってこんなに大変なんだと思い知りました。

授業の無い火曜日に自主的に塾に通う

 このままじゃ非常にまずい。とりあえず授業で分からなかった部分を授業の無い日に解決しようと思いました。

 授業の無い火曜日に塾に行き、手が空いている先生に分からない部分を質問して、少しずつ疑問点を解決して行きました。

 私の担任でも無い先生が親切に教えて下さり、感謝しかありません。

 

友達に小5のテキストを貰う

 私は小6の5月からの入塾で、小5の内容が完全に抜けている状態でした。それを埋めなければなりません。その為、塾の友達に小5のテキストをもらいました。一部無くしていたので、先生にお願いして、足りないテキストをいただいて、授業と同時並行で、小5のテキストを自主的に勉強しました。

 

授業が次第に分かるようになる

 このような努力の甲斐もあり、授業が分かるようになってきました。算数の週例テストでも0点は回避出来るようになりました。

 

下のクラスでトップに

 中学受験コースに入ってから一か月間、自主的に頑張ってきました。しかし、たったの一か月です。皆は小4から塾に通っています。(遅くても小5)とてもじゃないですが、まだまだ追いつけない。皆との差にため息が出るばかりです。

 ちょうどその塾の月例公開テストがありました。良く分からないながらも、頑張って取り組んだところ何と下のクラスで一番になってしまいました。

 

 

夏合宿で上のクラスに

 夏合宿では、普段の授業で上のクラスにいる友達と一緒のクラスになりました。しかし、不幸だったのは部屋割りは下のクラスの子たちと一緒だったのです。

(正式に通常授業で上のクラスに上がったわけではない)

 その為、同じ部屋の友達に無視されたり、仲間外れにされたりといったイジメを受けてしまいました。

 上のクラスの人たちの平和な環境が心底うらやましいと感じました。そして、この環境から抜け出るためには通常授業で上のクラスに登るしか道が残されていないのでした。(早く合宿が終わらないか指折り数えていました。)

 このことがきっかけで、子供心に下の階層から這い上がるには勉強を頑張らなくてはいけないと気が付くことが出来ました。(多くの人は高校生以降に気が付くのだと思います。)

 実際の社会は本当に残酷で、競争から落ちこぼれると、きつい労働しか残されていません。

 

夏休み明けのテストで上のクラスに

 夏期講習中は算数の先生にしつこく質問しました。私の質問に最後まで付き合ってもらい、感謝しかありません。

 このような夏休みの頑張りのおかげだったのか、何とか上のクラスに上がることが出来ました。

 休み明けの最初の授業で下のクラスに向かうと張り紙がされており、私は上のクラスに上がることが告知されていました。

 私が上のクラスに上がる代わりに上のクラスから落ちた人もいて、その人の名前も告知されていました。

 私は上のクラスの教室に入った後に、下のクラスに降格する人が告知を見て、上のクラスの教室から引き返して行く残念そうな後ろ姿が今でも目に焼き付いています。

 

桐朋中に行きたい

 上のクラスに上がれたこともあり、東大合格者ランキングのtop10にも入ったことがある桐朋に行きたいと思うようになりました。

 しかし国語の記述問題が独特で、非常に苦戦しました。国語は2~3年のスパンで、腰を落ち着けて準備しないと間に合わないと思いました。

 四谷大塚の合不合判定テストでも合格可能性は40%ほどで、12月の最後に何とか50%から60%のラインに乗せることが出来ました。

 

正月特訓

 正月特訓では桐朋中を目指すコースに入れてもらい、国立教室の授業に通いました。周囲は桐朋を目指す子たちばかりで非常に刺激になりました。桐朋中に合格できれば、こういう子達と一緒に勉強できるのかと思うと心が弾みました。

 

城西川越中学、桐朋中学、立教中学、成城中学を受験

城西川越中学

 直前の模試で合格可能性70%であったにも関わらず、不合格。算数の序盤で分からない問題に出くわしてパニックになってしまいました。

桐朋中学

 城西川越中学の不合格のショックを引きずりながらも、全力で頑張りました。国語の記述も何とか書けたと思います。しかしながら、頑張りも虚しく不合格でした。

 

立教中学

 桐朋中の手ごたえが微妙な中、臨みました。正直出来たのか、出来なかったのか分かりませんでした。結果は補欠でした。合格まであと数点だったということですね。桐朋中学と立教中学は丁度同じくらいの難易度であったので、あと少しの所まで来ていたのかもしれません。

 

成城中学

 ここは過去問演習でも合格最低点を一度も切ったことが無く、余裕の合格でした。面接で、今日はどのようにして学校を訪れたか聞かれましたが、正直馬鹿にされているのかと思ってしまいました。

 

塾の先生の方が小学校の先生よりも面白かった

 中学受験の勉強を通じて感じたのですが、塾の先生の授業の方が、小学校の先生の授業よりも遥かに面白かったのです。

 失礼を承知で言えば、塾の先生の方が優秀だと思いました。塾の先生のおかげで、勉強の楽しさに目覚めることが出来ました。

まとめ

 私が育った地元は中学受験が一般的ではありませんでした。中学受験をする子もほとんど周囲におらず、情報不足であったのは否めません。

 自分にもう少し知識があって、あと半年、欲を言ったら後一年早く受験勉強を開始出来ていれば、間に合っていたかもしれないと思うと非常に無念でした。

 また、夏合宿でいじめられた経験も、社会の厳しさを知る上で大変貴重なものでした。

 そして初めて試験で0点を取ったことも、出来ない子の気持ちを知ることが出来たという意味で非常に貴重な物でした。

 結果は残念な物でしたが、初めて自分の意志で人生の選択を行い、そのための努力が出来たという意味で、たった九ヶ月でしたが、中学受験は非常に貴重な経験となりました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

目標管理シートはもう止めないか?

無意味な目標管理シート

 どの会社でも大抵、新年度に人事から配布される目標管理シート。四月に今年度の目標を記載し、上長に提出する非常に面倒なものです。

 私は正直、このような目標管理シートは会社や人事の自己満足に過ぎず、これによって会社の業績が改善するとは到底思えません。

 むしろ、目標管理シートを書いて、面談をする手間や工数が無駄で、トータルに見るとマイナスだとさえ感じます。

 

達成度の基準が曖昧

 上長と面談して達成度を確認する面談は、ある意味儀式のようで非常に形式的です。そもそも達成度を評価する基準が分かりにくいです。

 営業などであれば、売り上げという分かりやすい評価基準がありますが、設計開発ではどのように評価するというのでしょうか?

 例えば、開発リードタイムを従来の八割に抑える目標を掲げても、購買や商社の手配ミスで、部材が指定の納期の間に合わなければ、いくら設計が頑張っても水の泡です。

 また、原価を従来の八割に抑えるという目標でも、昨今の原材料の高騰で、コストエンジニアリングがあっけなく水の泡になります。

 仕事というのは複数人の連携プレーで成立するのに、そこから個人の貢献を抜き出して評価するのは、現場に張り付いていない限り、不可能です。

 

語学研修廃止でコストカット貢献??!!

 私が新卒で勤務していた会社では以下のようなことがありました。

 会社で希望者に向けて、定期的に行われている英語などの語学研修が、突如人事の一存で廃止になりました。

 社内研修を廃止すれば、会社にとってコストカットになるので、廃止を断行し、これを人事部の成果としたのでした。

 これは本当に成果と言えるのでしょうか?一時的にはコストカットのおかげで、費用は浮きますが、社員のスキルアップの機会を取り上げることは、会社全体の長期的成長から考えたら確実にマイナスです。

 私はその会社で、韓国語の研修を受けていましたが、テキストを購入し、半年ほど出席していた最中、突如の廃止。テキスト代を返金して欲しいと言いたいです。それと共に会社に対する忠誠心が急激に薄れました。

 社員の仕事に対するモチベーションを下げない為にも、語学研修は継続すべきで、研修の廃止は成果では無く、むしろマイナスでした。

難しい課題を避ける 

 皆さんお察しの通り、達成可能な簡単な目標を設定した方が、目標達成率は上がり、昇進しやすくなります。そうなれば、難しい課題には誰も取り組まなくなり、会社の成長は止まります。

 簡単な目標は、報告日の数週間前から慌てて取り組んで、それっぽい物を提出して終わりなんて日常茶飯事です。数週間で簡単に出来るものを、そもそも目標と言って良いのか非常に疑問があります。

イノベーションは本来数年単位

 メーカーを例に挙げると、日本経済を支えた画期的な発明は、数年単位で達成されたものです。単年度ごとに目標を区切ると、長いスパンでじっくり考えるイノベーションは起こりにくくなります。

 皮肉なことに、日本を支えたイノベーションは2000年代以前がほとんどで、その当時はそんな目標管理シートなんてありませんでした。目標管理シートに促されたのではなく、技術者がとにかく熱中して自発的に作り上げたものが発明として花開きました。

 

人事の自己満足

 結局目標管理シートなんて、人事の自己満足なんです。ホワイトカラーのリストラが進んでいる中で、人事がしょうもない仕事を作って、自分たちの存在意義を確保したいだけです。

 目標管理シートを管理することで、仕事をやっているアリバイ作りになりますしね。既に採用活動や研修は外部のサービスにアウトソーシングする会社が増えてきました。

 しょうもない目標管理シートのせいで、余計な仕事を増やして、会社の成長を阻害しています。

 

まとめ

 目標管理シートは百害あって一利なしです。そんなことよりも、テレワークを普及させたり、社員の自己啓発の費用補助をするなどに取り組んだ方が、百倍会社の為になりますね。そういうアイデアが出せないから、管理をしようとするのです。

 人事には現場を知る人をもっと登用して、現場に即した制度を施行してもらいたいものです。